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台所太平記 / 谷崎 潤一郎

2015/08/22
台所太平記 (中公文庫)台所太平記 (中公文庫)
(1974/04/10)
谷崎 潤一郎

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お料理上手や姉御肌、器量よしやらハイカラ趣味、鉄火な娘に男ぎらい…

若さ溢れる女性たちが、かわるがわる惹き起こす騒動で千倉家のお台所はいつもてんやわんや。

愛情とユーモアに満ちた筆で描く笑いの止まらない女中さん列伝。



あらすじを読み返し、素晴らしく上手にこの小説を表していると思いました。

とにかくどの女中さんも個性が強い。

こんな人今の世の中いるのだろうか…という人しか出てこない^^


興奮してはひきつけを起こし、奇声を上げ、男を全く知らなくて、はたまたマリリンモンロー並みの肉体を持つ…

個性的で、あっけらかんとして、清潔で、嬉々として。

若い女性たちの職場を見る著者の目が深く深く温かい。


実際問題、他の家庭に女中として入り、すぐに手を付けられてしまうような不幸なことが多い時代。

きちんと彼女たちと一線を引き、成長を見守り、嫁ぎ先を捜し、その後の幸福を祈る。

彼女たちの本質を知り、自由な振る舞いを面白おかしく眺めていられる。

素敵な世界でした。

人が人を呼び、女中さんが絶えることなく繋がっていく、時代背景が良く掴める楽しいお話です。



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12:55 谷崎 潤一郎 | コメント(8) | トラックバック(0)

想い雲―みをつくし料理帖 / 高田 郁

2015/07/23
想い雲―みをつくし料理帖 (時代小説文庫)想い雲―みをつくし料理帖 (時代小説文庫)
(2010/03)
高田 郁

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土用の入りが近づき、澪は暑気払いに出す料理の献立に頭を悩ませていた。

そんなある日、戯作者・清右衛門が版元の坂村堂を連れ立って「つる家」を訪れる。

澪の料理に感心した食道楽の坂村堂は、自らが雇い入れている上方料理人に是非この味を覚えさせたいと請う。

翌日、さっそく現れた坂村堂の料理人はなんと、行方知れずとなっている、天満一兆庵の若旦那・佐兵衛と共に働いていた富三だったのだ。

澪と芳は佐兵衛の行方を富三に聞くが、彼の口から語られたのは耳を疑うような話だった―。

書き下ろしで贈る、大好評「みをつくし料理帖」シリーズ、待望の第三弾。 内容(「BOOK」データベースより)



最近定期的に読んでいるシリーズ本で、かさばらず薄くて、図書館の予約待ちもないので、軽い外出にぴったりです。

見た目は時代小説ですが、テーマはあくまでも料理なので、さほど小難しくはない。

いつでも気軽に手にとれて重宝しています。


この作品の料理の描写は、私にはたまらなく懐かしいものばかり。

大阪で料理人として修業をしていた澪が、江戸へ出てきて包丁をふるうのだが、日々戸惑うことばかり。

味を江戸の人に認めてもらえない悔しさ、材料がそろわない歯がゆさ。

分かりやすいほどの困難を前に、性格の良さと、気の利いた登場人物の支えで乗り切る、勧善懲悪的な心地よさ。

この巻で扱われた「鱧」が、私には特に嬉しい。


いつかテーマになるのではないかと、ひそかに楽しみにしていたぐらいです。

実家では母が鱧の骨切りをして普通に夕食に出してくれていたのですが、結婚してそれは普通のことではないと痛感しました。

細かな骨切りなんて出来ないし、美味しい鱧を扱っているようないい魚屋さんに、日頃から通ってなどいない。

結局自分で挑戦することがないまま、東京に永住してしまった。

今となっては下手でもいいから自分で挑戦しておくべきだったなと思います。


この作品の中には、鱧だけでなく昆布や大和芋など、関西人のこだわりが詰まっている。

懐かしくて、描写が美しくて、あまりストレスが感じられない優しい展開。

当分ゆるりと楽しませてくれそうです。



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15:29 高田 郁 | コメント(9) | トラックバック(0)

6時間後に君は死ぬ / 高野 和明

2015/02/13
6時間後に君は死ぬ6時間後に君は死ぬ
(2007/05/11)
高野 和明

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「六時間後に君は死ぬ」。

街で出会った見知らぬ青年に予言された美緒。

信じられるのは誰なのか。

「運命」を変えることはできるのか。 内容(「BOOK」データベースより)




「ジェノサイド」など高野さんの作品はとても面白いのだけれど、描写が激しい場合もあり、子どもに読ませるには少しためらってしまう。

そんな時、読書ブログの方から息子にとお勧めいただいたのが、この作品です。

読んでみてびっくり。

高野さんの良さはきちんと保ちつつ、学生にも安心して読ませることができる楽しい作品でした。


未来、それも非日常的な危険な未来が読めてしまう主人公。

オカルト的になりそうな設定だが、不思議とそのような要素はなく、気が付けば心がふんわり暖かくなるような優しい物語ばかり。

ミステリ要素がある連結短編は、外れなく気軽に楽しめていいですね。

主人公の穏やかさが心地いい。



いいなぁ。

中高生にもお勧めできる作品です。

お勧めいただいてありがとうございました^^


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09:44 高野 和明 | コメント(2) | トラックバック(0)

八朔の雪―みをつくし料理帖 / 高田 郁

2014/11/25
八朔の雪―みをつくし料理帖 (ハルキ文庫 た 19-1 時代小説文庫)八朔の雪―みをつくし料理帖 (ハルキ文庫 た 19-1 時代小説文庫)
(2009/05/15)
高田 郁

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神田御台所町で江戸の人々には馴染みの薄い上方料理を出す「つる家」。

店を任され、調理場で腕を振るう澪は、故郷の大坂で、少女の頃に水害で両親を失い、天涯孤独の身であった。

大坂と江戸の味の違いに戸惑いながらも、天性の味覚と負けん気で、日々研鑽を重ねる澪。

しかし、そんなある日、彼女の腕を妬み、名料理屋「登龍楼」が非道な妨害をしかけてきたが・・・・・。

料理だけが自分の仕合わせへの道筋と定めた澪の奮闘と、それを囲む人々の人情が織りなす、連作時代小説の傑作ここに誕生!



この本、ちょっと面白いかも。

時代物ながらとても読みやすく、ベタな展開ながらも、ついつい読んでしまう納まりの良い物語。

作家さんが漫画家でもあると知り、妙に納得しました。


次から次へと主人公:澪へ降りかかる災い。

周りを固めるのは、主人公を助ける温かい人々、口が悪い謎多き男、絶対的な悪役…

分かりやす程の立ち位置で、内容もある程度想定内なのに、少女マンガみたいにワクワクしてしまった。


大阪で料理修行中に水害にあい、天涯孤独で江戸に降り立った澪。

魚のさばき方も、出汁の取り方も全く違う文化で、日々奮闘する姿は、健気で誰もが応援したくなる。

私は食文化の違いを身に染みて感じているので、料理の話は楽しくて仕方がなかった。

澪がこだわりたいと思った昆布出汁は、江戸では受け入れてもらえない。

昔々から、北海道の昆布は真っ直ぐ海を渡って大阪へ入っていたので、昆布に対するこだわりはかなり強い。

上方の昆布のこだわりを読みながら、大好きな山崎豊子さんの「暖簾」をとても懐かしく思い出しました。


才のない者には、恥かかんよう盛大に手ぇ貸したり。

けど、才のある者には手ぇ貸さんと、盛大に恥かかしたり。


澪に料理を仕込んだ旦那さんの言葉。

気持ちのいい言葉が随所にあり、肩ひじ張らず楽しく読める、中高生にもお勧めのシリーズものです。



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17:21 高田 郁 | コメント(0) | トラックバック(0)

猫と庄造と二人のおんな / 谷崎 潤一郎

2014/11/18
猫と庄造と二人のおんな猫と庄造と二人のおんな
(2013/08/09)
谷崎潤一郎

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一匹の猫を中心に、猫を溺愛している愚昧な男、猫に嫉妬し、追い出そうとする女、男への未練から猫を引取って男の心をつなぎとめようとする女の、三者三様の痴態を描く。

人間の心に宿る“隷属”への希求を反時代的なヴィジョンとして語り続けた著者が、この作品では、その“隷属”が拒否され、人間が猫のために破滅してゆく姿をのびのびと捉え、ほとんど諷刺画に仕立て上げている。

内容紹介より



いやぁ、楽しいです。

以前に痴人の愛を読み、主人公の男が若い妻の身体に溺れ、「お馬さんごっこ」の下となり、喜び悶えるさまが強烈に印象に残っていた。

その流れを感じながら読むと、なおパンチが効いてくるように思います。


主人公の男:庄造を、タイトル通り二人の女が取り合う物語。

夫への焼きもちから猫を追い出したい妻。

猫を手なずけ元夫を取り戻そうとする前妻。

賢い女たちに辟易し、獣であるがゆえの高貴さを持つ猫に、心を奪い取られていく庄造。


猫に嫉妬する妻というのも変なようだが、この状況、私も嫌だ。

妻が嫌いな料理だと知っていて、小鯵の二杯酢を食べたいと言う庄造。

嫌々ながら作った小鯵を、ほとんど皆、猫にやってしまうのだから。

自分の口に小鯵入れ、魚に滲みた酢をスッパスッパ吸い取ってやり、骨を噛み砕き、口移しに猫にあげる。

酒を飲みながら、もったいつけて、じらして、じらして。

同じことを延々と繰り返す満足げな夫の顔を見ていると、気持ち悪さと同時に、焼きもちの一つでも焼きたくなるだろう。


「痴人の愛」では、女に跪き、愛に溺れ、支配されることの喜びが描かれていたが、この作品はもっともっと強い。

溺れる相手は猫で、溺れる喜びを失う滑稽さが見事。

内容紹介で風刺画的と書かれてあり、なるほどと思いました。


情けない庄造の姿は谷崎氏本人のように思えるし、隷属すること以外に生きがいはないとの表現には、私も完全に負けてしまった。

これはもう、周りがああだこうだと言うことではなく、

書き始めからラストまで、この世界観に飲まれるのみです。



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17:03 谷崎 潤一郎 | コメント(2) | トラックバック(0)
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