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ランチのアッコちゃん / 柚木 麻子

2014/10/24
ランチのアッコちゃんランチのアッコちゃん
(2013/04/17)


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屈託を抱えるOLの三智子。

彼女のランチタイムは一週間、有能な上司「アッコ女史」の指令のもとに置かれた。

大手町までジョギングで行き、移動販売車の弁当を買ったり、美味しいカレー屋を急遽手伝うことになったり。

そのうち、なんだか元気が湧いている自分に気付いて……。

表題作ほか、前向きで軽妙洒脱、料理の描写でヨダレが出そうになる、読んでおいしい短編集。 内容紹介



サクサクっと読める心が前向きになる肩ひじを張らない本です。

連結短編に強引に仕上げた感がありますが、表題の「ランチのアッコちゃん」が一番楽しい。

話に出てくる東京の公園や駅、それに大阪の自由軒のカレーも、私には馴染の深いものばかり。

読んでいて、本当にお気楽で楽しかった。


主人公はいつも悩んでいるのだが、悩みの内容は、「彼氏に振られた」「正社員と派遣の板挟み」など。

人より前に出ることが出来ない控えめな主人公が、先輩に引っ張られ、自分の足りない何かに気づいていく。

先輩のアッコちゃんがいいなぁ。

食べているランチは美味しそうだし、特に彼女が作るポトフの描写はたまらない。

自分もホストだったら、アッコちゃんの店に通い詰めるだろうな。


私、あきらめだけは早いんです。

ダメって思ったら、ぱっと離れて、次の手を考える!

いちいち、落ち込まない!身をすくませているうちに、何かは出来るかもしれないじゃないですかぁ。



軽いながらも、これも一つの考え方として、とても正しいと思う。

3時間ほどで読めてしまうので、買うほどではないと思いますが、気持ちよく心持ちを正してくれる一冊です。



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15:02 や行 その他の作家 | コメント(5) | トラックバック(0)

友罪 / 薬丸 岳

2014/08/21
友罪友罪
(2013/05/02)
薬丸 岳

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-過去に重大犯罪を犯した人間が、会社の同僚だとわかったら?-

ミステリ界の若手旗手である薬丸岳が、児童連続殺傷事件に着想を得て、凶悪少年犯罪の「その後」を描いた傑作長編!

ジャーナリストを志して夢破れ、製作所に住み込みで働くことになった益田純一。

同僚の鈴木秀人は無口で陰気、どことなく影があって職場で好かれていない。

しかし、益田は鈴木と同期入社のよしみもあって、少しずつ打ち解け合っていく。

事務員の藤沢美代子は、職場で起きたある事件についてかばってもらったことをきっかけに、鈴木に好意を抱いている様子。

益田はある日、元恋人のアナウンサー・清美から「13年前におきた黒蛇神事件について、話を聞かせてほしい」と連絡を受ける。

13年前の残虐な少年犯罪について調べを進めるうち、その事件の犯人である「青柳」が、実は同僚の鈴木なのではないか?と疑念を抱きはじめる。 内容紹介より



薬丸さんの代表作である「天使のナイフ」同様、少年犯罪と更生がテーマです。

被害者、その家族の苦しみが永遠でありながら、加害者がその後何十年も生き、成長していくその落差。

罪を反省し更生することが理想であり、人の可変性を信じたいと思う。

しかし、凶悪犯の犯人が数年後に幸せに暮らしていると知るなら、少し受け入れ難く思ってしまう矛盾。

少年犯罪そのもの、その後の更生を、ある一面から語ることなど出来るはずもない。

加害者、被害者家族だけでなく、周りを取り囲むあらゆる人々の立場を見せ、少年の社会復帰について問いかける作品です。


許されるはずのない幼児への残虐な殺人。

家族愛に恵まれなかった犯人の少年は、出所後名前を変えて生きていくが、罪の重さに苦しみうなされ続ける。

矯正局の職員は、自分を消耗させながらなんとか少年を更生させようと奮闘するが、社会がそれを阻む。

もし職場の同僚が、数年前に起こった凶悪犯の犯人だと知ってしまったら、自分はどういう振る舞いをするだろうか。

あの時犯罪者であっても、今はうち解け始めた優しい同僚。

被害者の傷は癒えるはずもない深さで、向き合えば向き合うほど、どうすべきか分からなくなる。


大切に思うものがなければ、自分の犯した罪の重さを本当の意味で理解できることはない。

という作中の言葉が好きです。

本当にそうだと思う。

大切なものが一つもなければ、失う怖さや、壊してしまう罪の重さを知りうることがないと思うから。


罪を犯した少年の立場ではなく、周りの取り巻く人々の顔が渦巻いていて、とても良く練られた設定だと思う。

けれど、始めに設定があって、望む展開に持っていくために登場人物が動いているように見えてしまいます。

薬丸さんの作品でいつも感じるのですが、登場人物の安易な行動が目について仕方がない。

犯人だけでなく支える側の人達であっても、人としての魅力が感じられず、深い部分で同調できないのが残念です。



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23:01 薬丸 岳 | コメント(4) | トラックバック(0)

明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち / 山田 詠美

2014/07/18
明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち
(2013/02/27)
山田 詠美

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ひとつの家族となるべく、東京郊外の一軒家に移り住んだ二組の親子。

澄生と真澄の兄妹に創太が弟として加わり、さらにその後、千絵が生まれる。

それは、幸せな人生作りの、完璧な再出発かと思われた。

しかし、落雷とともに訪れた“ある死”をきっかけに、澄川家の姿は一変する。

母がアルコール依存症となり、家族は散り散りに行き場を失うが―。

突飛で、愉快で、愚かで、たまらなく温かい家族が語りだす、愛惜のモノローグ、傑作長篇小説。内容(「BOOK」データベースより)



兄妹全員が幼稚園から付属の私立校に通い、センスのいいアンティークの家に住み、母の焼いた手作りケーキでお茶をする。

笑顔の絶えない、絵に描いたようなおしゃれで美しい家族。

子連れどうしの幸せな再婚。

複雑な血の繫がりを埋め合わせるよう、丁寧に重ね合わせた完璧な家族。


母が愛した長男が落雷で命を落とし、キラキラした家族の形が一気に色を失ってしまう。

美しい思い出のままで、永遠に年をとらない兄だけを愛し続ける母。

母の代わりに家族の責任を負い、家計も家事も担う姉。

死んだ兄の身代わりになろうと、自分を捨て、母のためにピエロになりきる弟。

悼む家族の輪に加わりきれない、幼い妹。


残された子ども達は、永遠に一番になることが出来ず、兄以上に幸せになることはできない。

目の前にある死を直視しないように生きてきた、家族に残ったしこり。

亡くなってしまった大切な人を、「亡くなった人」として受け入れるまでにかかる時間は、本当に長いものなのだろう。


山田詠美さんの作品は、言葉選びと描写が美しいので、どろどろとしてしまいそうな苦悩も、どこか澄んで見える。

それと同時に、澄んでいるが、心の中まで見通せた気がしない不安定さも、山田詠美さんらしいなと思う。

登場人物それぞれの語りなのに、言葉に表せない気持ちがまだまだありそうな気がする。

残された彼らには、まだ堪えているであろう淋しい部分が感じられ、なんとも胸が痛い。



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12:28 山田 詠美 | コメント(0) | トラックバック(0)

百年法 / 山田 宗樹

2013/11/29
百年法 上百年法 上
(2012/07/28)
山田 宗樹

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百年法 下百年法 下
(2012/07/28)
山田 宗樹

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原爆が6発落とされた日本。

敗戦の絶望の中、国はアメリカ発の不老技術“HAVI”を導入した。

すがりつくように“永遠の若さ”を得た日本国民。

しかし、世代交代を促すため、不老処置を受けた者は100年後に死ななければならないという法律“生存制限法”も併せて成立していた。

そして、西暦2048年。

実際には訪れることはないと思っていた100年目の“死の強制”が、いよいよ間近に迫っていた。

経済衰退、少子高齢化、格差社会…

国難を迎えるこの国に捧げる、衝撃の問題作。



山田宗樹さんがもともと好きなのですが、この方がSFを書くことが衝撃だった。

想像力をフル回転させて、未来を考えることはとても大切だと思う。

「百年法」では、人類の望む医療の形、最終目標を考えさせられる。


もともと著者の作品はカラッと明るい方ではない。

好みは分かれるかもしれませんが、私は突き詰めて深く陥ってしまう感じのこの作品が好きです。


人が手術によって不老長寿を手にすることが出来たなら…

手術をした時が20歳なら、永遠に見た目は20歳のままで、命の期限はない。

そんな時代が来たのなら、世界はどう変わっていくだろうか。


誰もが会社を辞めない。

年長者が既得権を手放すはずもない。

若者に残っている就職先はなく、このままでは世界は人で溢れかえってしまう。

命に人為的な期限をつけるため、100年で安楽死させる「百年法」が制定される。


不老長寿は人類の永遠の憧れだけれど、手にしてしまったのなら、そこに付随する問題は数限りなくある。

想像できうるありとあらゆる問題をシュミレートした作品は、とてもリアルで楽しかった。

人物の描き分けに物足りなさを感じますが、皆が20歳の見た目と体力で止まっている故の読みにくさかもしれません。

SFっぽく始まりますが、最終的には人間臭い作品になっていて、とても面白い作品でした。



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17:52 山田 宗樹 | コメント(2) | トラックバック(0)

闇の底 / 薬丸 岳

2013/09/07
闇の底闇の底
(2006/09/08)
薬丸 岳

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少女を犠牲者とした痛ましい性犯罪事件が起きるたびに、かつて同様の罪を犯した前歴者が首なし死体となって発見される。

身勝手な欲望が産む犯行を殺人で抑止しようとする予告殺人。

狂気の劇場型犯罪が日本中を巻き込んだ―。

絶対に捕まらない―。

運命が導いた、哀しすぎる「完全犯罪」。

『天使のナイフ』の薬丸岳が描く、欲望の闇の果て。

江戸川乱歩賞受賞第一作。 内容(「BOOK」データベースより)



幼い子に手をかけた卑劣な犯罪。

どうやったら断ち切ることが出来るのだろうか。

捕まったとしても、現在の法律はあまりにも量刑が軽く、出所後の再犯率も高い。

妹を傷つけられ奪われた兄は、癒えぬ心の闇を抱えたまま警察官になる。


兄はずっと、自分を責めている。

幼い妹が殺された責任は自分にあると。

犯人を殺してしまいたい遺族感情を消し去ることもできず、法律の限界を感じてしまう。


遺族感情は十分伝わるものがありました。

これほど惨い犯罪が、どうしてこんなに軽い量刑なのだろう。

どうして繰り返されるのか。

どうして、どうして。


設定として良くできているのですが、いかんせん警察ものとしての厚みが足りない。

ミスリード狙いなのが早めに見えてしまうので、余計に気になってしまった。


犯人の意図に筋が通っているようで通っていなくて。

物語を進めるにあたって齟齬がないように、少し微調整した印象を受けてしまう。

もう少し掘り下げが深ければと残念に感じます。



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19:06 薬丸 岳 | コメント(4) | トラックバック(0)
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