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ひらいて / 綿矢 りさ

2013/01/21
4103326212ひらいて
綿矢 りさ
新潮社 2012-07-31

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やみくもに、自分本位に、あたりをなぎ倒しながら疾走する、はじめての恋。

彼のまなざしが私を静かに支配する――。

華やかで高慢な女子高生・愛が、妙な名前のもっさりした男子に恋をした。

だが彼には中学時代からの恋人がいて……。

傷つけて傷ついて、事態はとんでもない方向に展開してゆくが、それでも心をひらくことこそ、生きているあかしなのだ。

本年度大江健三郎賞受賞の著者による、心をゆすぶられる傑作小説。 内容説明



綿矢りさを読んだぞ。という感じがするなかなかの傷み具合。

相変わらず主人公の女は共感できない。

共感出来ないが、「あなたは違うのか?」と問われれば、返事に詰まってしまう。

実際はここまで振り切っていないだけで、自分を含めてこんな女ばかりだ。


相手がこう感じるだろうなと思う程度に調整された、首の角度、笑顔、声のトーン。

計算しているが、何もかも計算づくなのではない。

深い意味はなく、より可愛いと思ってもらいたい気持ち、目を向けてもらいたいだけ。

自分を認めてもらいたいから頑張るのは、結局自分が可愛いからだ。

そんな生き方が当たり前だったとき、全く小技が効かない男が現れた。


最初はそこまでのめり込むはずではなかったのに。

自分の為に生きている私と、相手の為にだけ生きている病弱な女。

結果は最初から分かっていても、足掻かずにはいられない。

ありえない展開に思わず脱落してしまいそうになるが、ここからが綿矢りさ。

強烈で、病的で、私は好きだと思う。



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14:21 綿矢 りさ | コメント(2) | トラックバック(1)

のぼうの城 / 和田 竜

2012/12/18
409386196Xのぼうの城
和田 竜
小学館 2007-11-28

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時は乱世。

天下統一を目指す秀吉の軍勢が唯一、落とせない城があった。

武州・忍城。

周囲を湖で囲まれ、「浮城」と呼ばれていた。

城主・成田長親は、領民から「のぼう様」と呼ばれ、泰然としている男。

智も仁も勇もないが、しかし、誰も及ばぬ「人気」があった―。

城戸賞受賞。 内容(「BOOK」データベースより)



爽やかでとても面白い歴史小説、大型新人脚本家:和田竜の人気作品です。

歴史小説を書かれる作家さんはある程度決まっていて、専門職のようなものだと私は思っている。

今までは王道ばかり読んできたので、それらの作品と、つい比較してしまう。


文献に則って、説明過多にならず、登場人物を整理しながら、過去に読み手を誘う。

歴史小説はとても難しく、出だしでいかに引き込むかが鍵かと思いますが、その点この作品は読みにくい。

いちいち「過去の文献のこの部分にこう書かれている」と説明が入るものだから、雰囲気が壊れることは否めない。


小説として感じるそんな違和感を除くと、ストーリーとしては心地良く読める楽しい作品。

秀吉の想いを背負った石田三成の初陣。

対するのは、武術も知性もない「でくのぼう城主」率いる忍城。

石田軍20,000人相手に、たった500人でどう戦おうというのか。


負け戦と分かっていての戦い。

命を命と思わない捨て身の作戦が繰り広げられるのかと思いきや、のぼう様には肩透かしをくらわされてばかりだった。

若者が心を寄せてしまうような人物像「のぼう様」は、今までの歴史小説にはない魅力。


ある程度事実に則りながらも、脚色の面白さは新しい。

さすが脚本がメインの作品だけあって、映画の方がもっと独特の雰囲気が出るように感じます。

キャストも素敵な方が多いですが、知将:石田三成を演じるのが上地雄輔って。

上地君はとても良い人だと思うけれど、ごめん、それはどうだろう。



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12:44 和田 竜 | コメント(2) | トラックバック(0)

かわいそうだね? / 綿矢 りさ

2012/10/16
4163809503かわいそうだね?
綿矢 りさ
文藝春秋 2011-10-28

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同情は美しい、それとも卑しい?

美人の親友のこと、本当に好き?

誰もが心に押しこめている本音がこぼれる瞬間をとらえた二篇を収録。

デビューから10年、綿矢りさが繰り広げる愛しくて滑稽でブラックな“女子”の世界。内容(「BOOK」データベースより)



綿矢りさを好きだと言うには勇気がいる。

主人公の心が、悲しいほどに女でナナメだから。

ストーリーに共感しつつも、同時に素直に受け入れたくない気持ちも生じてしまう。

それは露骨なまでに情けない、自分のプライドの高さを見せつけられるから。


世間体を考えれば、主人公は立派に生きている。

社会人として自立し、人間関係も上手くこなし、彼もいる。

だから平気だと思われるのか。

目の前の幸せを、天然と肩書が付いた女に引っさらわれる。


自分の感情を押し殺し、嫌なこともニコリと笑ってやり過ごしてきたのに。

そこそこ上手く振る舞えていると思っているのは自分だけで、少しずつ感情は漏れている。

漏れていることに気づいていないから、なお悲しい。

完璧に振る舞えきれない女の強さを、だからこそ愛おしいと気付いてくれる男はなかなかいない。



女の複雑な友情を描いた「亜美ちゃんは美人」は、表題よりもさらに良い。

美人の親友を、私は本当に親友だと思っているのだろうか?

二人を共に不自然な「ちゃん付け」で書いているのがとても効果的。

ずっと綺麗だと言われ続ける亜美ちゃんも含めて、これは綿矢りさらしさ満開。



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11:54 綿矢 りさ | コメント(4) | トラックバック(0)

勝手にふるえてろ / 綿矢 りさ

2010/11/29
4163296409勝手にふるえてろ
綿矢 りさ
文藝春秋 2010-08-27

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内容賞味期限切れの片思いと、好きでもない現実の彼氏。

どっちも欲しい、どっちも欲しくない。

恋愛、しないとだめですか。

片思い以外経験ナシの26歳女子が、時に悩み時に暴走しつつ、現実の扉を開けてゆく。

キュートで奇妙な恋愛小説。 (「BOOK」データベースより)




初の綿矢作品です。

男性が読んでは引いてしまうような女子の内面。

表面上はいたって普通のOL。

しかし、胸の内はとても捻くれていて、可愛げがない。

個人的には、社会で上手く立ち回れていない、こういう偏屈人間は好きです。

心の中でぶつぶつ言っていることは、かなりシュールでいちいち可笑しい。

私の視界は正直だ。

彼の顔が三割増し粗く見える。

彼のよく動く口が伸び縮みする輪ゴム程度にしか見えない。


全体的にこんな毒を、胸のうちで吐き続けている26歳の処女。

その万人受けしないキャラを、読んでいる人がバカバカしくも可笑しく感じれば成功だと思う。

ダメな人もいると思いますが。


この口の悪さも美しい綿矢りさが書くから、からり、さらりと笑えるのかも。

林真理子が書くのと少し似ていて、湿度の高さに違いを感じます。

いかん、これは失礼。


こんな頭でっかち未経験女子が、さてこのままで幸せになれるのか?

オチを期待するというよりか、地に足が着いていないまんまでゆるりと最後まで。


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15:00 綿矢 りさ | コメント(4) | トラックバック(1)
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