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ユリゴコロ / 沼田 まほかる

2012/07/26
4575237191ユリゴコロ
沼田 まほかる
双葉社 2011-04-02

by G-Tools

亮介が実家で偶然見つけた「ユリゴコロ」と名付けられたノート。

それは殺人に取り憑かれた人間の生々しい告白文だった。

創作なのか、あるいは事実に基づく手記なのか。

そして書いたのは誰なのか。

謎のノートは亮介の人生を一変させる驚愕の事実を孕んでいた。

圧倒的な筆力に身も心も絡めとられてしまう究極の恋愛ミステリー! 内容紹介



「ユリゴコロ」の評価は高いのですが、私は今まで読んだ中で一番腑に落ちないものでした。

話題性を持たせつつ、読みやすく手を加えた感じ。

添加物が混ざっている。

沼田まほかるに死はつきものですが、この作品に関しての軽い扱いには救われません。


宣伝文句からは一見美しい恋愛ミステリに見えてしまうが、ミステリと割り切って楽しむには病的でつらい。

手記であるが分、内面に入り込みすぎてさらりと流せないものがある。


読みやすさ、面白さを追求したのなら、確かに今までの作品よりも口当たりは良くなっている。

ミステリとしても、過去の作品よりずいぶんミステリになっているし、

ドック喫茶のシーンになるとほっとする柔らかな空気が流れる。

きりきりと締め付けられた後に抜く部分ができ、一気に読ませる魅力もあったと思う。


その上で、犯人の行動と人の死の重さのバランスが、全く取れていないと感じてしまう。

もっともっと残虐な作品なんていくらでもあるのに、沼田まほかるが書くとしんどいのは何故だろう。

読後の心の重さは何ともいえない。

彼女は僧侶。

理由を付けて赦される殺人なんて、あるのだろうか。



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10:24 沼田 まほかる | コメント(2) | トラックバック(0)

彼女がその名を知らない鳥たち / 沼田 まほかる

2012/06/18
4344012399彼女がその名を知らない鳥たち
沼田 まほかる
幻冬舎 2006-10

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十和子は淋しさから、飲み会で出会ったうだつの上がらない中年男・陣治と関係を持ち、なんとなく一緒に暮らすようになる。

ある日、陣治の部屋で、昔の男から贈られたピアスを発見する。

何故ここに…。

十和子が選んだ驚くべき行動とは!

壊れかけた女、人生をあきらめた男。

ダメな大人が繰りひろげる100%ピュアな純愛サスペンス。

内容(「BOOK」データベースより)



「読者が不快な気持ちになることに積極的な始まり」-とでも言えばいいだろうか。

中年男:陣治の描写は強烈。

汗とヤニの臭い、くちゃくちゃと音を立てる食べ方、粘着質なしゃべり、卑屈な目。

誰もが嫌悪を感じてしまう気持ち悪さ。

そんな陣治をヒステリックに苛め抜き、昔の男に固執する十和子の病み方もキツイ。


油とヤニと埃で薄汚れた部屋で、汚い爪の陣治が作る料理。

「うまいなぁ、ほんまうまいなぁ。十和子疲れてるやろ。あとでゆっくり揉んだるさかいな」

どこから見ても歪んだ世界で、陣治だけが満足げな表情をするもんだから、気持ち悪い熱気がムッと上がる。


優男に利用され弄ばれても執着する女を、馬鹿にされ足蹴にされてもなお愛する。

追いつ追われつの関係に、読む手を止めることが出来ない。

まほかるさん流のサスペンス、容赦ない人物描写、単純に面白かった。


あらすじに「100%ピュアな純愛サスペンス」と書かれているのを見て、ものすごく納得しました。

そうだ、そうだ。

この落差が強烈にピュアな印象を残すのだ。


純愛だった。

究極の純愛だけど、読後の放心状態からはなかなか立ち直れない。

まほかるさん好きなんだけど、体力消耗して、読むとどっと疲れるんだよなぁ。



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12:02 沼田 まほかる | コメント(2) | トラックバック(1)

九月が永遠に続けば / 沼田 まほかる

2012/05/17
4101338515九月が永遠に続けば (新潮文庫)
沼田 まほかる
新潮社 2008-01-29

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高校生の一人息子の失踪にはじまり、佐知子の周囲で次々と不幸が起こる。

愛人の事故死、別れた夫・雄一郎の娘の自殺。

息子の行方を必死に探すうちに見え隠れしてきた、雄一郎とその後妻の忌まわしい過去が、佐知子の恐怖を増幅する。

悪夢のような時間の果てに、出口はあるのか――。

人の心の底まで続く深い闇、その暗さと異様な美しさをあらわに描いて読書界を震撼させたサスペンス長編。

第5回 ホラーサスペンス大賞 大賞 内容紹介より



過去に受けた傷で精神を破たんさせてしまった女。

その女に夫を盗られた妻。

息子の知られざる一面。


ううー、キツイ。

かなり厳しい内容です


凄惨な犯罪も、屈折した想いも、発狂も、沼田まほかるが書くと美しい。

美しいから恐ろしく、どこまでも闇が深い。


登場人物が多く、意味深なセリフが多い。

いずれどこかで繋がると思っていたものが、最後まで繋がらない。

あれも、これも、どこか不完全。

引っ張られた感があるだけに、消化不良が残る。

想像させるだけの余白を残そうとした、作者の意図なのか。


ホラーではなく、ミステリでもなく、

陰鬱な影に縛られた展開。

「面白い」と言えるし、「とてもじゃないが面白いとは言えない」とも言える。

決してつまらない作品ではない。

読む価値は十分あると思う。

その上で、心がどんより曇り空だ。



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15:04 沼田 まほかる | コメント(4) | トラックバック(1)

猫鳴り / 沼田 まほかる

2012/01/07
457523589X猫鳴り
沼田 まほかる
双葉社 2007-08

by G-Tools


宿した命を喪った夫婦。

思春期の闇にとらわれた少年。

愛猫の最期を見守る老人。

それぞれのままならぬ人生の途に「奇跡」は訪れた。

濃密な文体で、人間の心の襞に分け入ってゆく傑作長編。

一匹の猫の存在が物語を貫く。 出版社/著者からの内容紹介



闇を抱えた登場人物が、不細工な大猫「モン」と関わり合いながら、己の出口を探す。

中編の3部構成です。


やっと授かった子供を流産し、喪失感を抱えた中年妻。

自宅の裏に捨てられた、まだ目も見えていない子猫。

今にも息絶えそうな子猫は、6ヶ月で失ったお腹の子と重なり、女は直視することが出来ない。

鳴きやまぬ子猫の声に追いつめられ、自宅から遠くへ捨てに行くが、不思議と元の場所に帰ってくる。

この始まりは、猫好きには辛く、重い。


紅葉のような赤茶の毛、口の周りの真っ黒いそばかす。

トカゲや小動物を捕まえてくる「モン」は、決して可愛いとは言えないが、その存在は凛々しい。

飼い猫と言うよりか、その土地の主のような貫禄。

猫の持つ独特の気高さが見事に表現されています。


死を恐れる人間に、己の姿をもって、死に方を教えてくれる「モン」。

自分の存在意義をすでに理解したかのような振る舞いに圧倒されます。

人間はあくまでもオマケ

余韻が長く長く残る作品です。


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12:48 沼田 まほかる | コメント(4) | トラックバック(0)

痺れる / 沼田 まほかる

2011/10/22
433492705X痺れる
沼田 まほかる
光文社 2010-04-20

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罪を犯した男に囚われていく女。

怒りと赦しを背負いながら生きる使用人。

褒められたくて女の家に日参する男。

馬鹿馬鹿しくて信じられない、泣きたくなるような悪夢。

姿の見えない彼の妻に翻弄される不倫女の叫び。

暗い水底に引きずり込まれていくような9つの哀しみと絶望。内容(「BOOK」データベースより)



最近良く聞く名前、沼田まほかる。

先入観なしで読みたいので、何の情報も持たずに読んでみた。


私、この人好きです。

決してエグくはない。

しんしんと雪が降り積もるような、ゆっくりとひそやかな怖さ

少し皮肉で、滑稽さもあり、落とし加減も変化球。


話の入り口が上手なんだと思う。

最初の数行で彼女の世界に放り込まれ、すっかり魅せられてしまった。


読後、彼女の略歴を見てみると。

主婦、僧侶、会社経営を経て作家デビューの63歳。

僧侶…63歳!?!?

とても若い人の感性。

透き通るような脆さ、控えめなのに、どこかしぶとくて。

女の中の女だと思ったのに。


短編が9編もあれば、薄く、似た感じになりがち。

もちろん根底に流れる水はが同じですが、それぞれ全く違う世界が、正確にそこに存在している。

ごく普通に見えた人間が見せる、一線を越えてしまった時の顔。

植物、虫、女、男、みんな地面を蠢いて見える。


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13:14 沼田 まほかる | コメント(0) | トラックバック(0)
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