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楡家の人々 / 北 杜夫

2011/11/22
B000JAGRBC楡家の人びと (1964年)
北 杜夫
新潮社 1964

by G-Tools


大正初め、東京青山に西洋の御殿のような精神病院「帝国脳病院」が聳えていた。

そこを舞台に、院長の楡基一郎、その妻ひさ、勝気な長女龍子、学究肌の夫徹吉、などの一家とそれを取り巻く人々が織りなす人間模様。

初め、虚栄に満ちた華やかな生活を送る楡家の一族であったが、震災直後病院が焼失、ほどなく基一郎が急死。

昭和の動乱期に入ると、楡家は、ゆるやかだが確実に没落の一途をたどっていく……。ウィキペディアより



「作家の訃報を聞いて慌てて読む人っているよね」、そのものでございます。

祖父は、東京青山に精神病院を創設し、政治家でもある斎藤紀一。

父は、アララギ派の歌人で、精神科医の斎藤茂吉。

精神科医一族でありながら躁鬱病を発症した北杜夫さんが、自らの家族を三代にわたり描いた長編小説です。


見た目ばかりきらびやかな、張りぼての病院。

ブルジョア階級特有の鼻持ちならない女たち。

お金も権力も使いこなせていない、どことなく頼りない男たち。

皆傲慢で、貪欲で、一見して魅力的な登場人物は少ないかも知れない。

なのに不思議。

横柄な中にも、生真面目な滑稽さが見事に差し込まれ、誰も憎めない。

まるで風刺画のようにユーモラス


病院存続の為だけに親が決めた進学、結婚。

満たされていても自由ではない彼らが、その中で足掻き見つけていく生き方は。

空襲で病院は焼かれ、没落していくも、決して楡家の人間である誇りを失わない

どんなに落ちぶれても、形がなくなっても。


そこが哀しくもあり、少し滑稽でもあり。

ラストにかけての時間は特に良かった。

後になってじんわりと心に残る、本棚に置いておきたい良本です


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16:55 北 杜夫 | コメント(5) | トラックバック(0)
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