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共喰い / 田中 慎弥

2012/04/08
4087714470共喰い
田中 慎弥
集英社 2012-01-27

by G-Tools

昭和63年の夏。

17歳の少年・遠馬は、怪しげな仕事をしている父と、その愛人と暮らしている。

川をへだてて魚屋を営む産みの母親・仁子さんの元に時々出かけては、近くの川で釣ったウナギをさばいてもらっている。

父が性行為の間に女性を殴ることを仁子さんから聞き、自分にも父の血が流れているのではないかとおびえる遠馬。

彼女の千種とのセックスでも、暴力の衝動に駆られるが…。

少年たちの愛の行方と血のいとなみ。

第144回芥川賞候補作「第三紀層の魚」も同時収録。 内容紹介



田中氏の受賞の際の言動が、小説の内容以上にクローズアップされてしまいましたね。

かなり捻くれた印象で、どんな作品かと読んでみましたが、「ものすごく芥川賞」でした。


汚物と魚の内臓が沈む澱んだ川。

魚をさばく為に改良された鉤のような義手。

かろうじて下着ではないと分かる程度の白い服の売春婦。

描写一つとっても陰鬱で、いくら目をこすっても視界が晴れることはない


暴力を振るわなければ興奮できない父。

そんな父の行為を二階から盗み見る自分は、内心この時間を楽しみにしている。

決してあんな性癖を持つ父のようになりたくない筈なのに、その一線を越えてしまう可能性を感じる矛盾。


小さな町特有の閉塞感。

昭和最後の設定以上に、受ける印象はもっと古い。

まるでモノクロ映画を観ているよう。

大人の世界を覗き見しているような怖さと、一瞬の美しさが共存している。

この作品を読んで心が晴れることはないけれど、私はいいなと思いました。



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18:38 田中 慎弥 | コメント(10) | トラックバック(0)
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