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砂の女 / 安部 公房

2012/08/15
410112115X砂の女 (新潮文庫)
安部 公房
新潮社 2003-03

by G-Tools

砂丘へ昆虫採集に出かけた男が、砂穴の底に埋もれていく一軒家に閉じ込められる。

考えつく限りの方法で脱出を試みる男。

家を守るために、男を穴の中にひきとめておこうとする女。

そして、穴の上から男の逃亡を妨害し、二人の生活を眺める部落の人々。

ドキュメンタルな手法、サスペンスあふれる展開のなかに、人間存在の象徴的な姿を追求した書き下ろし長編。

20数ヶ国語に翻訳された名作。

第14回(1962年) 讀賣文学賞小説賞受賞 内容(「BOOK」データベースより)



安部公房を読んでみようなんて、私も大人になったものだ。

とっつきにくいだろうと感じていましたが、こんなに心に入りやすいとは。

いや、こんなに面白いとは。

タイトルは、砂の「女」なんですね。

砂の家に閉じ込められる主役は男ですが、「砂の女」としたタイトルが素晴らしい。


結末が最初に書いてある。

男がもう、日常の世界には戻ってこれないという事。

二度と出れないことを前提として、砂の家から必死で脱出しようとする男を、読者は眺めることになる。

とても不思議な感覚。


閉じ込められてしまったと気付いた時、誰もがそうするように足掻く。

俺は必要とされている人間だ、教師だ、家族がいる、行方不明で済むわけがないと。

しかし現実は違った。

誰も探しに来ない。

新聞になんて載りはしない。

逃亡を図っても取り押さえられ、全くもって不条理な状況に置いておかれる。


読み手の私の目線は、どの人間にも変化した。

上から眺めているときには、閉じ込めている部落の人間に。

水を欲するときには、喉をかきむしる男に。

そして、男を迎えてはにかんでしまう女に。


砂の描写はどこまでも執拗で、自分の口の中にまで砂が入り込むかのよう。

こんなことがあっていいはずはない。

そんな当たり前の気持ちが飲み込まれていく。

砂と共に。




さて、この作品は映画化もされている。

監督は私の大好きな勅使河原宏氏。

草月流の3代目家元でありながら、映画監督としても有名。

安部公房と友情関係にあったとは知らなかった。

草月流はもちろん今も続いていますが、勅使河原宏氏は別格も別格。

あの華をもう見れないのが、今でも残念に思う。


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08:42 安部 公房 | コメント(2) | トラックバック(0)
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