09月≪ 12345678910111213141516171819202122232425262728293031≫11月

スポンサーサイト

--/--/--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--:-- スポンサー広告

何者 / 朝井 リョウ

2014/05/20
何者何者
(2012/11/30)
朝井 リョウ

商品詳細を見る

「あんた、本当は私のこと笑ってるんでしょ」

就活の情報交換をきっかけに集まった、拓人、光太郎、瑞月、理香、隆良。

学生団体のリーダー、海外ボランティア、手作りの名刺……

自分を生き抜くために必要なことは、何なのか。

この世界を組み変える力は、どこから生まれ来るのか。

影を宿しながら光に向いて進む、就活大学生の自意識をリアルにあぶりだす、書下ろし長編小説。

第148回(平成24年度上半期) 直木賞受賞



今まで朝井リョウさんの作品は2冊読んだのですが、言葉の使い方がくどくあまり好みではなかった。

一転、この作品はとても面白かった。

面倒くさい言い回しが鼻につかないし、朝井リョウがちゃんとそこに存在しているように感じます。


とにかく、現在の就活事情を内側から見せる、圧迫感とでもいうのか狭さを感じさせる作品。

狭いと表現してしまうと悪く伝わってしまうかもしれませんが、就活はそもそも閉鎖的なもの。

閉鎖的な空間に身を置くうちに、自分が何者であるのか見失う若者の姿が素晴らしくリアルでした。


就活はとても独特な世界で、あれほどまでに自分と向かい合わざるを得ない状況はそうないと思う。

年度により就活状況は変化するし、必須事項も常識もアイテムも常ではない。

TwitterやFacebookが当たり前の状況では、自宅に帰っても常にだれかの情報が追いかけてくるようで。

人には表と裏の顔があるだろうが、自宅でも表の顔を続けなければならない状況のしんどさが不憫でした。


見られる前提で作り上げたネット上の自分。

就活で求められるであろう姿に寄せた自分。

自分が何者であるのか分からなくなった彼らが、本来の自分を肯定出来る日が来て欲しいと思わずにはおれません。

「直木賞」には少々物足りない気がしますが、息子が就活に入る前に読ませたいと思う作品で、私としてはとても興味深かったです。



押していただけたら、とても幸せです。
宜しければ、応援ポチどうぞよろしくお願いします。
    にほんブログ村 その他日記ブログ のほほんへ
スポンサーサイト
16:13 朝井 リョウ | コメント(4) | トラックバック(0)

もういちど生まれる / 朝井 リョウ

2012/11/30
4344021053もういちど生まれる
朝井 リョウ
幻冬舎 2011-12-09

by G-Tools

彼氏がいるのに、親友に想いを寄せられている、汐梨。

平凡な日常と、特徴のない自分に飽き飽きしている、翔多。

絵を通して、壊れた家族に向き合おうとする美大生、新。

美人で器用な双子の姉にコンプレックスを抱く浪人生、梢。

才能の限界を感じつつも、バイトをしながらダンス専門学校に通う、遙。

あせりと不安を力に変えた5人が踏み出す“最初の一歩”。 内容(「BOOK」データベースより)



以前に「桐島、部活やめるってよ」を読んで、言い回しが好みに合わなかった私。

直木賞候補にもなった「もういちど生まれる」を、気持ちを新たに読んでみました。

朝井リョウの独特の表現は、前回ほど酷くはないとは言え、やはり好きにはなれない。

「これいいでしょ」と嬉々として勧められている気がして、私の腰が引けてしまう。

前回の感想同様、物語の冒頭をそのまま書き出します。

えっ、いまあたしにキスしたのどっち?
 真昼の月のように、ぼんやりと輪郭が見えなくなっていく意識。頭の中が、きめ細かなかき氷の粒を溶かしていく練乳みたいになっている。あまい甘い眠りの誘惑に落ちていきそうになりながら、それでもあたしは完全に寝てはいなかった。徹夜の出口、朝四時。


なんだかな…

最初の数行で感じるほんの少しの余分が、読み進めると負担に感じてしまう。


さてこの物語は、悩みを持つ5人の大学生が、少しずつ繋がりながら、飛び出す出口を模索する連結短編。

若さゆえの切なさ、瑞々しさ、痛々しさが、形を変えて表される。

「もういちど生まれる」の章は確かに良くて、ふらつきなく心が物語にぴたりと重なっている。


朝井リョウは根がちゃらい人ではないんだろうな。

-光を浴びている人を斜め後ろから眺めている-、そんな人物描写が上手い。

憧れているとも、羨ましいとも、素直に口に出来ない彼ら。

自分を晒しきれないプライドの高さは、同時に自分を信じる真っ直ぐさの証。

色々思うこともありますが、余分なものが削ぎ落とされた後半は、惹かれるものがありました。



押していただけたら、とても幸せです。
宜しければ、応援ポチどうぞよろしくお願いします。
    にほんブログ村 その他日記ブログ のほほんへ
15:19 朝井 リョウ | コメント(2) | トラックバック(0)

桐島、部活やめるってよ / 朝井 リョウ

2012/08/08
4087713350桐島、部活やめるってよ
朝井 リョウ
集英社 2010-02-05

by G-Tools

バレー部の「頼れるキャプテン」桐島が突然部活をやめた。

それがきっかけで、田舎の県立高校に通う5人の生活に、小さな、しかし確実な波紋が広がっていく。

野球部、バレー部、ブラスバンド部、女子ソフトボール部、映画部。

部活をキーワードに、至るところでリンクする5人の物語。

桐島はどうして部活をやめたのか?

17歳の彼らは何を抱えているのか?

物語をなぞるうち、いつしか「あの頃」の自分が踏み出した「一歩」に思い当たる……。

世代を超えて胸に迫る青春小説の傑作! 第22回小説すばる新人賞受賞作。



話題の新刊なんていくら読んでも追いつかないから、ある程度取捨選択をしていかなければならない。

判断基準の一つとして、タイトルや表紙が良く、宣伝が華美なものは、大抵つまらないので避けている。

「桐島、部活やめるってよ」や「チア男子!!」 の表紙を何度見かけても、スルーしてきた。

しかし先日、「もういちど生まれる 」が直木賞候補に選ばれたことを知り、遅まきながら読んでみました。

早稲田の現役大学生、この若さで候補に挙がるなんて快挙ですね。


しかし…読みにくいったらありゃしない。

これは物語の冒頭。

「え、ガチで?」
おー、とダルそうに答えながら、竜汰は俺のチャリの荷台にまたがった。夕陽が俺たちを熱く染めている。お前、チャリ貸したるんやでこげや、と俺は竜汰の肩をごつんと殴った。肌寒くなってきた街並みに、着なれた学ランが自然にとけこむ。


言葉の流れが悪くて、がくがくと引っかかる。

私は高校生のチャラそうな会話を嫌っているのではない。

セリフも語りも描写も含め全部をまとめた時、リズムが悪くなるのが落ち着かないのです。


高校生は格差社会。

そんなことは誰もが当然知っている。

見た目が良くて、お洒落で、イケてるグループに入れるかどうかがすべて。

何を今さら。

高校生ならではの見栄や我慢、小さな計算と媚び、それは上手く表現されていると思う。

サッカーや創作ダンスで表れる上下関係の微妙さにも頷くことが多い。

いい点を突いてくれるのに、そこから一言二言がくどくて余計。

そこまで被せなきゃ、追いかけたくもなったのに。


物語はタイトル通り桐島が部活をやめたらしい。

桐島がやめたことが、誰かのどこかにほんの少しずつ触れながら、全景が見えてくる。

やめた彼を遠くからなぞり、次第に桐島が浮き上がってくる…予定だったのだろうか。

そういう手法は良くある。

しかし、桐島の桐島たるものは浮き上がってこなかった。

桐島が他の誰でも良かったように見えたら、それは致命傷だと思う。


中学生の息子が読むにもいいかもしれないと思ったが、これは貸さないなぁ。

キラッと光るものが、他にない何かが、見つからないんだもの。



押していただけたら、とても幸せです。
宜しければ、応援ポチどうぞよろしくお願いします。
    にほんブログ村 その他日記ブログ のほほんへ
11:51 朝井 リョウ | コメント(4) | トラックバック(0)
 | HOME | 

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。