03月≪ 123456789101112131415161718192021222324252627282930≫05月

スポンサーサイト

--/--/--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--:-- スポンサー広告

アニバーサリー / 窪 美澄

2014/04/17
アニバーサリーアニバーサリー
(2013/03/22)
窪 美澄

商品詳細を見る

子どもは育つ。

こんな、終わりかけた世界でも。

七十代にして現役、マタニティスイミング教師の晶子。

家族愛から遠ざかって育ち、望まぬ子を宿したカメラマンの真菜。

全く違う人生が震災の夜に交差したなら、それは二人の記念日になる。

食べる、働く、育てる、生きぬく――

戦前から現代まで、女性たちの生きかたを丹念に追うことで、大切なものを教えてくれる感動長編。 内容紹介



戦時中、学童疎開で経験した耐え難いひもじさ。

戦後豊かになったはずの日本では、社会進出する母の陰で、子どもが一人冷めた食事をとる。

そして、3.11の震災。

連日の原発の報道に、若き母親たちは子どもを育てていくことに不安を感じ孤立してしまう。


うーーーん。

時代によって変化する(せざるを得ない)女性の生き方が、食を通して描かれた素敵な作品ですが、なかなか感想が難しいです。


震災を絡めて描かれる作品を読むには、まだ私には日が浅いようで。

目に見えない放射能に怯え、窓に目張りして、赤ん坊を抱きしめる母親たちが辛くてならなかった。

私はあの時まだ大阪に居て、息子は赤ん坊ではなく、小中学生。

そんな私でも、報道を見ているだけで苦しくてたまらない気持がした。

首都圏にいた初産の母親たちは、どんな思いで水を選び、空気を選ぼうとしたのだろうか。


あらすじの最初にあるように、窪美澄は若き母親たちにエールを送りたかったのだと思う。

どうぞあなたの側にも存在するであろうお節介な爺、婆たちに相談してね。

赤の他人でもいいじゃないか。

抱え込まないで、頼りなさい。

決してあなたたちは孤独ではないよ。と。


裕福な家庭の御嬢さんだった晶子が、戦時中には疎開先で、ビタミン剤や炒り大豆を分け合って食べた。

家族を亡くし、家をなくし、友と離れ、そんな中必死で生きてきて。

どんな時代であっても、それでも子どもは育ってきた。

だから、きっときっと。

著者の願いが伝わる物語でした。

明るさを、希望を感じさせてくれる装丁が素敵です。



押していただけたら、とても幸せです。
宜しければ、応援ポチどうぞよろしくお願いします。
    にほんブログ村 その他日記ブログ のほほんへ
スポンサーサイト
11:47 窪 美澄 | コメント(0) | トラックバック(0)

クラウドクラスターを愛する方法 / 窪 美澄

2013/10/29
クラウドクラスターを愛する方法クラウドクラスターを愛する方法
(2012/10/19)
窪 美澄

商品詳細を見る

「輝くような人生の流れに乗るためのボートは、どこにあるんだろう」。

誕生日を間近に控えた大晦日の朝、3年間一緒に暮らした彼が出て行った。

その原因は……

デビュー作で山本周五郎賞を受賞した実力派作家が「家族」を描く、待望の第3作。

表題作書き下ろし。



「ふがいない僕は空を見た」「晴天の迷いクジラ」、今までの作品ほど強烈なインパクトはない。

自分を模索する主人公は圧倒的に不幸ではなく、ものすごくリアルな少し足りない私。

少し足りない姿は、今の社会のどこにでも可能性がある足りなさで。

だからこそ、強い波が立たない静かな雰囲気が似合う。


イラストレーターとして生活ができず、バイトと両立するとしても生活はカツカツで。

結婚するなら生きていけるかもしれないが、未完成の私が妻や母のパーツに収まることが出来るとは思えない。

自分が自分として成立していないのに、子どもを育てていくなんて。

お姑さんを介護するなんて。


周りの人の人生は皆輝いているように見えて、そうなる術を知りたいと思う。

だが、ぐるぐる回るとやはり、自分を置いて出て行った母に立ち戻る。

作りたいのは家族だったのか、帰る場所だったのか。


タイトルがいいな。

家族の形を模索した素敵な作品。

一緒に収められている「キャッチアンドリリース」もまた印象的でした。



押していただけたら、とても幸せです。
宜しければ、応援ポチどうぞよろしくお願いします。
    にほんブログ村 その他日記ブログ のほほんへ
17:21 窪 美澄 | コメント(0) | トラックバック(0)

晴天の迷いクジラ / 窪 美澄

2013/07/05
晴天の迷いクジラ晴天の迷いクジラ
(2012/02/22)
窪 美澄

商品詳細を見る

ただ「死ぬなよ」って、それだけ言えばよかったんだ――

『ふがいない僕は空を見た』の著者が放つ待望の二作目。

壊れかけた三人が転がるように行きついた、その果ては?

人生の転機に何度も読み返したくなる、感涙の物語。



「ふがいない僕は空を見た」を読んで、他の作品もすぐ読みたいと思わせてくれた作家さん。

この作品も期待を裏切らずとても素敵な作品でした。

死にたいと思ってしまった3人が、死に場所を求めて行き着いた場所。

そこから先の物語がメインなのでしょうが、それ以前の過去の描写の細やかさに惹きつけられました。


3人の過去はそれぞれ短編のように独立していて、完成度はとても高い。

人物像にきちんとした輪郭があり、微妙な心の揺れにも共感出来る。

心の病は現れ方が様々なので、共感されない部分もあるかと思う。

けれど物語の為のパーツではなく、そこに行き着いてしまった1人を丁寧に描こうという姿勢は、とても好きです。


浅瀬に迷い込んでしまった、海に戻れないクジラ。

方角が分からなくなってしまったクジラは、自らの姿に重なり、

自殺することがいけないと分かっていても、それ以外の方法が見つからなくて。


今自殺を踏みとどまったとしても、明日が明るいなんて簡単には言えない。

そもそも、演劇の場面が切り替わるように、光が降り注ぐ未来へと突然には変わりはしない。

これからも彼らは迷いながら生き、模索し続けるだろうと感じさせる。

それはクジラもきっと変わらない。


明日は今日の延長線上にあるから迷う。

迷っている人に、優しい、ただ優しいシンプルな答えを注ぐ窪美澄。

出来ることなら少しでも明日が良き方へ、そんな想いが伝わります。



押していただけたら、とても幸せです。
宜しければ、応援ポチどうぞよろしくお願いします。
    にほんブログ村 その他日記ブログ のほほんへ
11:07 窪 美澄 | コメント(0) | トラックバック(0)

ふがいない僕は空を見た / 窪 美澄

2012/09/09
4103259213ふがいない僕は空を見た
窪 美澄
新潮社 2010-07

by G-Tools

これって性欲?

でも、それだけじゃないはず。

高校一年、斉藤卓巳。

ずっと好きだったクラスメートに告白されても、頭の中はコミケで出会った主婦、あんずのことでいっぱい。

団地で暮らす同級生、助産院を営むお母さん…

16歳のやりきれない思いは周りの人たちに波紋を広げ、彼らの生きかたまでも変えていく。

嫉妬、感傷、愛着、僕らをゆさぶる衝動をまばゆくさらけだすデビュー作。内容(「BOOK」データベースより)

第24回(2011年) 山本周五郎賞受賞
第8回「女による女のためのR‐18文学賞」大賞受賞
第8回本屋大賞第2位



これがデビュー作ですか。

驚きです。

描かれている内容は時にハードで、ひんやりするほど冷たい。

なのにすべてを読み終えると、心に残るのは柔らかい輪郭と温かさ。

16歳の少年とそれを取り巻く人間を繋いだ連結短編集。


色んな要素が詰まっているように思う。

不妊、いじめ、片思い、偏った性癖、貧困…

一話ごとの完成度の高さには、目を見張るものがあります。

そこに描かれているのはどうしようもない人々。

自分が悪いのか、

周りが悪いのか、

そもそも環境が悪いのか。

それも含めて色々であって、良いとか悪いとかの問題ではなくて。


彼らはどこかふがいない。

ふがいない彼らが、もがき苦しみながら、目の前の一歩を踏み出すべきか迷っている。

すっきり派にはもどかしいかも知れませんが、私はこの物語が大好き。

とりあえずもう一作品、「晴天の迷いクジラ」を大急ぎで予約した。


若さゆえの残酷さの描写も素晴らしいですが、R‐18なのでその辺りはご注意ください。



押していただけたら、とても幸せです。
宜しければ、応援ポチどうぞよろしくお願いします。
    にほんブログ村 その他日記ブログ のほほんへ
11:58 窪 美澄 | コメント(6) | トラックバック(0)
 | HOME | 

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。