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夏を喪くす / 原田 マハ

2016/07/11


「なんだか、硬いね」

ベッドで恋人が乳房の異変に気づいた。

仕事と恋を謳歌する咲子の人生に暗雲が翳る。

夫との冷えた関係に加え、急に遠ざかる不倫相手に呆然とする。

夏の沖縄で四十歳を迎えた女性の転機を描く表題作「夏を喪くす」。

揺れる女心の決意の瞬間を、注目作家が鮮烈に綴る中編集。内容(「BOOK」データベースより)



あれ、この人こんなに面白かったっけ。

以前に読んだ「楽園のカンヴァス」「キネマの神様」より、ずっとずっといい。


女性を主人公とした中編が4つ。

それぞれが満足のいく重みのある内容で、どれかに絞って感想を書こうと思うのだが、絞りきれないのです。

後悔や不幸が混ざり追い込まれるも、最後に手を伸ばさなければならない距離感で、淡い希望の光を見つける。

ぐっと手を伸ばすところで終わる感じが、この物語たちの共通点でしょうか。


「天国の蠅」は不思議と心に残ります。

父親の借金に追われ、まともな学生生活を送れなかった主人公と、どうしようもない父親との関係。

どんなにダメな父親でも、自分のことを「蠅」と見立てて書いた詩は、見事に美しい。

そうだ、「キネマの神様」のお父さんもダメだったなぁ。


男に甘えきることが出来ずに問題を一人で解決しようとする姿が、なんて不器用な…と思いつつも応援してしまう。

パサついた感じを出す上手さが、角田光代さんに近い印象。

手軽に読める中編で、雰囲気の良い作品でした。



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16:58 原田 マハ | コメント(4) | トラックバック(0)

楽園のカンヴァス / 原田 マハ

2013/07/28
楽園のカンヴァス楽園のカンヴァス
(2012/01/20)
原田 マハ

商品詳細を見る

ニューヨーク近代美術館の学芸員ティム・ブラウンは、スイスの大邸宅でありえない絵を目にしていた。

MoMAが所蔵する、素朴派の巨匠アンリ・ルソーの大作『夢』。

その名作とほぼ同じ構図、同じタッチの作が目の前にある。

持ち主の大富豪は、真贋を正しく判定した者に作品を譲ると宣言、ヒントとして謎の古書を手渡した。

好敵手は日本人研究者の早川織絵。

リミットは七日間―。

ピカソとルソー。

二人の天才画家が生涯抱えた秘密が、いま、明かされる。

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著者は早稲田の美術史科を卒業後、いくつか美術館勤務ののち、フリーのキュレーターとして独立。

絵をこよなく愛するキュレーターの物語は、原田マハの力量を思う存分発揮できるストーリー。


私は絵について、美術の時間に習った以上に特別な知識は何もない。

アンリ・ルソーのイメージも、「遠近法が上手ではないが味があって良い」と言われていたような…ぐらいのものでした。

頭に下地がない分、ある程度過去の事実に則りながら脚色された物語は、歴史小説と似た楽しさがありました。


そうか、ルソーは存命中、全く世間から認められることがない人生だったのか。

描いた人の人となりが、ピカソを絡めて垣間見えるなんて、とても贅沢な気分。

「青の時代」も言葉で知っているだけだったので、物語の流れで知るとずいぶん近しく感じます。


この物語を読むにあたって、ルソーとピカソの作品集を横に置いて読めたらもっと楽しいだろうと思います。

私は絵のタイトルから、ポンポンと作品を頭に浮かべることが出来る知識はないので、ネットで検索しながら読んでいました。

画家たちの人間関係から夢を膨らませた壮大なストーリー。

恋愛と人物描写は物足りませんが、絵を見に行きたいなと思わせてくれる新鮮な作品でした。


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11:31 原田 マハ | コメント(0) | トラックバック(0)

キネマの神様 / 原田 マハ

2013/01/17
4163277307キネマの神様
原田 マハ
文藝春秋 2008-12

by G-Tools

四十を前に、突然会社を辞めた娘。

映画とギャンブルに依存するダメな父。

二人に舞い降りた奇跡とは―

壊れかけた家族を映画が救う、奇跡の物語。 内容(「BOOK」データベースより)



最近話題の作家さんですね。

初めて読みましたが、とても性格の良い、真っ直ぐなストーリー。

映画好きな人が思わずニンマリしてしまう言葉選びが楽しいです。

作品を知らなければ伝わらないような場面では、「ニュー・シネマ・パラダイス」や「フィールド・オブ・ドリームス」など、定番中の定番を選択。

映画にそれほど詳しくなくても、置いてけぼりにならない配慮もあります。


ギャンブル依存症の父の借金の肩代わりばかりしてきた四十目前の娘。

地位も年収もあったのに、悪意にはめられ失業してしまう。

頼れるのは、借金を抱えた両親、のみ。


重い設定の割には、沈み込むシーンはわずかで。

軌道に乗り出したら、物事はコトコトと明るいほうへ導かれていく。

世の中そんなに単純にはいかないぜ、と突っ込みたくもなりますが、楽しませ方はとても上手。


冒頭の雰囲気からは、作品はいかようにも傾く可能性を見せていた。

それが最終的に、父の心温まる友情話に繋がっていくとは。

シネコンにはない映画館の魅力を存分に教えてくれ、心を温かくしてくれる物語です。



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14:48 原田 マハ | コメント(2) | トラックバック(0)
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