09月≪ 12345678910111213141516171819202122232425262728293031≫11月

スポンサーサイト

--/--/--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--:-- スポンサー広告

母の遺産 / 水村 美苗

2013/02/12
4120043479母の遺産―新聞小説
水村 美苗
中央公論新社 2012-03

by G-Tools

家の中は綿埃だらけで、洗濯物も溜まりに溜まり、

生え際に出てきた白髪をヘナで染める時間もなく、もう疲労で朦朧として生きているのに母は死なない。

若い女と同棲している夫がいて、その夫とのことを考えねばならないのに、母は死なない。

ママ、いったいいつになったら死んでくれるの?

親の介護、姉妹の確執…

離婚を迷う女は一人旅へ。

『本格小説』『日本語が亡びるとき』の著者が、自身の体験を交えて描く待望の最新長篇。


母と娘の確執について書かれた小説が、最近注目を浴びている。

物語が長くて手こずりましたが、とても面白い作品でした。


母親の望む形の人生を歩まされた姉。

姉だけに期待が集中し、おざなりな扱いを受け続けた妹。

絶対的な力で家をコントロールしてきた母は、新しい男を作り、父の介護を放棄した。

自分勝手に生きてきた母が、今度は痴呆になり、寝たきりになったが、なかなか死なない。

いつまで経っても娘を解放しない母と、遺産を計算し続ける娘。


あらすじだけなら、ドロドロとした物語に感じてしまうが、上品な枠から外れないのが凄い。

水村美苗は教養があり日本語の綺麗な方である。

三流小説にはならない言葉選びと、西洋にあこがれ続けた生活が、美しい一線を保っている。


母の介護が小説のすべてだと思っていたが、その後のありようも大変だった。

50過ぎて夫が浮気していたらどうしよう。

母の遺産と夫の慰謝料と算段し、残りの人生の贅沢基準を上げたり下げたり。

細かな計算がリアルすぎる。

そうか、そうか。

介護にはこれぐらい、離婚にはこれぐらい、老後にはこれぐらい、必要なのか。


新聞小説に連載されていたので、章の割り振りに一定のリズムが付いている。

その分物語が佳境に入っても、トントントンとリズム良くは進まない。

とても楽しい部分と、どうともならない部分が、行きつ戻りつする。

最後の章は震災の直後であったとしても、突然震災をはめ込むには馴染みが悪い。

3月11日を絡ませてしまう必要は、なかったと思う。



押していただけたら、とても幸せです。
宜しければ、応援ポチどうぞよろしくお願いします。
    にほんブログ村 その他日記ブログ のほほんへ
スポンサーサイト
12:41 水村 美苗 | コメント(4) | トラックバック(0)
 | HOME | 

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。