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黒革の手帖 / 松本 清張

2014/10/27
黒革の手帖(上)黒革の手帖(上)
(2011/06/01)
松本 清張

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黒革の手帖(下)黒革の手帖(下)
(2011/06/01)
松本 清張

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7500万円の横領金を資本に、銀座のママに転身したベテラン女子行員、原口元子。

ホステス波子のパトロン、産婦人科院長楢林に目をつけた元子は、元愛人の婦長を抱きこみ、5000万円を出させるのに成功する。

次に彼女は、医大専門予備校の理事長橋田を利用するため、その誘いに応じるが…。

夜の紳士たちを獲物に、彼女の欲望はさらにひろがってゆく。 内容(「BOOK」データベースより)



米倉涼子さんのドラマを観ていなかったのですが、宣伝から受けるイメージとしては、銀座の華のある話だと思っていた。

だが、内容は全然違った。

一人の地味な銀行員が、銀座の世界でのし上がっていくサスペンスストーリー。

松本清張さんが推理小説ではない作品を書いておられることに驚き、とても面白く読んでいました。


主人公は女性として幸せな思いをしてこなかったベテラン銀行員:元子。

銀行でコツコツ真面目に務めていても、男性のように出世できる可能性はなく、窓口はどんどん若い子に代わっていく。

次第に鬱屈とした気持ちが溜まり、銀行の裏事情を書き留めた手帳で、上司を強請ることを思いつく。


たとえ環境が悪く、上司が良い人間でなかったとしても、強請がいいはずはない。

だが読んでいると、つい薄幸の元子を応援してしまう。

やっていることは犯罪なのに、支える味方が誰もいない状態で貪欲に突き進む姿に、惹きつけられるものがあるからです。


数字が好きな私にとっては、銀座を経営する際に掛かる諸経費を読む元子が好きだった。

元銀行員のメリットを最大限に利用し、一流クラブを買い取る算段をし、冷静に数字を読ませるリアリティ。

美貌も人望も、もちろんお金もない元子が、唯一の武器で戦い、孤軍奮闘している。

一人の女性の背中を、黙って目で追っているような不思議な感覚。

終わり方も含め、女の淋しさが上手く表された面白い作品でした。



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18:21 松本 清張 | コメント(2) | トラックバック(0)

顔・白い闇 / 松本 清張

2014/09/19
顔・白い闇 (角川文庫)顔・白い闇 (角川文庫)
(1959/05)
松本 清張

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どこにでも起こり得る事件を素材に、生きた人間を描くことで奇矯に走り易い推理小説に新風を送った。

夫の失踪後一年、夫の従弟と妻がボートで霧の立ちこめる十和田湖に漕ぎ出す…。(平野 謙)内容紹介



松本清張ドラマスペシャルなどで取り上げられている作品。

今まで「顔」のドラマも映画も観たことはありませんが、予告が印象に残っていて、いつか読みたいと思っていた。

読んでみると、原作では主人公が男女逆だった。

なるほど、映像にするなら男女逆の方が面白いなぁ。

想像とはかなり違う内容に、とても驚きながら読んでいました。


自宅にお風呂がなくて、石炭が日常使いで、通信手段はなんと… 電報。

推理小説の醍醐味であるすれ違いが、少しの邪魔も入らず堪能できます。

人の弱さからか、不幸の連鎖なのか、ごくごく普通の人が犯してしまう殺人。

どのお話も結末の迎え方が静かでもの悲しく、推理小説+αの力がすごい。


戦後が舞台ですが、男性のあり方は、そこまで今と変わらないのかもしれない。

しかし、女性は別人だ。

控えめで、従順で、忍耐強くて、芯が強い。

登場する従順な妻たちが、妙に生々しく美しい。


トリック云々で楽しませるのはもちろんですが、そこに至る心の移ろいや、心理描写が細やか。

改めて、トリックありきの方ではないのだなと思います。

短編でとても入りやすい作品で、戦後の雰囲気を知るにも良い。

松本清張のひとつぐらい読んでおきなさいと、高校生の息子に渡しておこうと思います。



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07:49 松本 清張 | コメント(0) | トラックバック(0)

点と線 / 松本 清張

2013/09/20
点と線点と線
(2012/09/20)
松本 清張

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舞台は昭和三十年代。

福岡市香椎の岩だらけの海岸で寄り添う死体が見つかったのは、汚職事件渦中にある某省課長補佐と料亭の女中。

青酸カリ入りのジュース瓶がのこされ、警察ではありふれた心中事件と考えた。

しかし、何かがおかしい──と福岡の老警官と東京のヒラ刑事は疑問を抱く。

うたがわしい政商は事件当時、鉄道で北海道旅行中。

そのアリバイは鉄壁だった──

時刻表トリックの古典にして、今も瑞々しい傑作ミステリ。



定番中の定番ですが、私はこういう名作を読んでいないことが多い。

昔から読書好きだったわけではないので、誰もが一度は読んでいるような作品が抜け落ちています。

日頃は図書館の予約本に追われていますが、珍しく途切れたので、嬉しくなって借りてみました。


正直、松本清張作品がこんなの読みやすいとは思いませんでした。

そして面白い。

ネットも携帯電話もない時代、電報を駆使して、足を使って、刑事の人としての力がものをいう。

警察の自由度も、上司の寛大さも、今の時代では絶対にありえない。

自主性を重んじられた時代の気持ち良さも感じます。


現在ではチェックにチェックが入り、ミスがないように管理されながらの捜査。

キャリアだの人事争いだの、足の引っ張り合いが、事件の純度を弱めている。

久々に刑事と犯人の、真っ直ぐな人と人とのぶつかり合いを見たように思います。


もちろん松本清張ですから、電車の時刻表からのトリックは見ものだろう。

だが、それが全ての推理小説だと私は勝手に思い込んでいたようです。

何重にも保険が掛けられたアリバイを解く楽しさ。

長年読み継がれる作品は、やはり細部まで美しい。



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11:34 松本 清張 | コメント(6) | トラックバック(0)
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