07月≪ 12345678910111213141516171819202122232425262728293031≫09月

スポンサーサイト

--/--/--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--:-- スポンサー広告

きいろいゾウ / 西 加奈子

2016/05/31


夫の名は武辜歩、妻の名は妻利愛子。

お互いを「ムコさん」「ツマ」と呼び合う都会の若夫婦が、田舎にやってきたところから物語は始まる。

背中に大きな鳥のタトゥーがある売れない小説家のムコは、周囲の生き物(犬、蜘蛛、鳥、花、木など)の声が聞こえてしまう過剰なエネルギーに溢れた明るいツマをやさしく見守っていた。

夏から始まった二人の話は、ゆっくりと進んでいくが、ある冬の日、ムコはツマを残して東京へと向かう。

それは、背中の大きな鳥に纏わるある出来事に導かれてのものだった―。 内容(「BOOK」データベースより)




うわぁ、西加奈子だわ。

とってもとっても。

感想を書くという行為が、あまりよろしくない気がする。

言葉で表すことが得意ではない私には、読んで感じるこの瞬間が全て。

改めて、この世界観を言葉に書き残すことが難しいです。


色気とか肉感的な感じが全くしない、あらゆる生命の声が聞こえる、真っ直ぐ小学生のような妻。

妻の心をすっと静かに汲み取り、背中からふわりと包み込む小説家の夫。

二人を取り囲む田舎のご近所付き合い。

長閑でありながら、何も無駄のない、常にどこか緊張感のある物語。


主人公と思っていた妻の危うさと、掴み所のない夫。

終わってみたら、妻ではなく夫が主人公だったのかと思えるほど、妻以上に自分の形を探していたのは夫だったのかな。

妻がコーヒーを淹れる遅さに、人として安心感を覚えた夫。

ここの描写が好きです。



押していただけたら、とても幸せです。
宜しければ、応援ポチどうぞよろしくお願いします。
    にほんブログ村 その他日記ブログ のほほんへ
スポンサーサイト
07:45 西 加奈子 | コメント(0) | トラックバック(0)

ふくわらい / 西 加奈子

2014/03/12
ふくわらいふくわらい
(2012/08/07)
西 加奈子

商品詳細を見る

マルキ・ド・サドをもじって名づけられた、書籍編集者の鳴木戸定。

彼女は幼い頃、紀行作家の父に連れられていった旅先で、誰もが目を覆うような特異な体験をした。

その時から、定は、世間と自分を隔てる壁を強く意識するようになる。

日常を機械的に送る定だったが、ある日、心の奥底にしまいこんでいた、自分でも忘れていたはずの思いに気づいてしまう。

その瞬間、彼女の心の壁は崩れ去り、熱い思いが止めどなく溢れ出すのだった――。



初めての作家さんでしたが、とても好きな作品になりました。

主人公:定の言葉や言動にすっかり取り込まれてしまって、読むのが楽しくて仕方がなかったです。


紀行作家に連れられて世界中を旅してきた定は、父と定だけにある基準で生きてきたのかもしれない。

日本に戻って、普通に生活していても、世間の普通ができない。

垣根を取り払うことが何か、会話をすることが何か、友達とは何か、恋をすることが何か。

全てが分からないし、分かる方法も分からない定の言葉は、交わらなくても素晴らしく魅力的だった。


出会う相手の誰をも否定しない。

決して自分の物差しで測ろうとはしない。

相手そのままの姿を丸々受け止めようとする真っ直ぐさが、可愛くて美しかった。


変わり者としか思えない数々の作家たちの無理難題を全身で受け止める定。

出逢いの中で彼女の心は変化していくが(それが小説なんだろうけれど)、個人的にはこのままでいて欲しかった部分もある。

誰とも交わることのない圧倒的な清潔な世界観が本当に魅力的だったから。


ラストは突然俗っぽくなってしまったように思いました。

いわゆる小説のラストらしい形。

私としては、この作品の持つ突き抜けた感が、少しずれた気持ちがして残念でした。



押していただけたら、とても幸せです。
宜しければ、応援ポチどうぞよろしくお願いします。
    にほんブログ村 その他日記ブログ のほほんへ
14:35 西 加奈子 | コメント(2) | トラックバック(1)
 | HOME | 

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。