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想い雲―みをつくし料理帖 / 高田 郁

2015/07/23
想い雲―みをつくし料理帖 (時代小説文庫)想い雲―みをつくし料理帖 (時代小説文庫)
(2010/03)
高田 郁

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土用の入りが近づき、澪は暑気払いに出す料理の献立に頭を悩ませていた。

そんなある日、戯作者・清右衛門が版元の坂村堂を連れ立って「つる家」を訪れる。

澪の料理に感心した食道楽の坂村堂は、自らが雇い入れている上方料理人に是非この味を覚えさせたいと請う。

翌日、さっそく現れた坂村堂の料理人はなんと、行方知れずとなっている、天満一兆庵の若旦那・佐兵衛と共に働いていた富三だったのだ。

澪と芳は佐兵衛の行方を富三に聞くが、彼の口から語られたのは耳を疑うような話だった―。

書き下ろしで贈る、大好評「みをつくし料理帖」シリーズ、待望の第三弾。 内容(「BOOK」データベースより)



最近定期的に読んでいるシリーズ本で、かさばらず薄くて、図書館の予約待ちもないので、軽い外出にぴったりです。

見た目は時代小説ですが、テーマはあくまでも料理なので、さほど小難しくはない。

いつでも気軽に手にとれて重宝しています。


この作品の料理の描写は、私にはたまらなく懐かしいものばかり。

大阪で料理人として修業をしていた澪が、江戸へ出てきて包丁をふるうのだが、日々戸惑うことばかり。

味を江戸の人に認めてもらえない悔しさ、材料がそろわない歯がゆさ。

分かりやすいほどの困難を前に、性格の良さと、気の利いた登場人物の支えで乗り切る、勧善懲悪的な心地よさ。

この巻で扱われた「鱧」が、私には特に嬉しい。


いつかテーマになるのではないかと、ひそかに楽しみにしていたぐらいです。

実家では母が鱧の骨切りをして普通に夕食に出してくれていたのですが、結婚してそれは普通のことではないと痛感しました。

細かな骨切りなんて出来ないし、美味しい鱧を扱っているようないい魚屋さんに、日頃から通ってなどいない。

結局自分で挑戦することがないまま、東京に永住してしまった。

今となっては下手でもいいから自分で挑戦しておくべきだったなと思います。


この作品の中には、鱧だけでなく昆布や大和芋など、関西人のこだわりが詰まっている。

懐かしくて、描写が美しくて、あまりストレスが感じられない優しい展開。

当分ゆるりと楽しませてくれそうです。



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15:29 高田 郁 | コメント(9) | トラックバック(0)

八朔の雪―みをつくし料理帖 / 高田 郁

2014/11/25
八朔の雪―みをつくし料理帖 (ハルキ文庫 た 19-1 時代小説文庫)八朔の雪―みをつくし料理帖 (ハルキ文庫 た 19-1 時代小説文庫)
(2009/05/15)
高田 郁

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神田御台所町で江戸の人々には馴染みの薄い上方料理を出す「つる家」。

店を任され、調理場で腕を振るう澪は、故郷の大坂で、少女の頃に水害で両親を失い、天涯孤独の身であった。

大坂と江戸の味の違いに戸惑いながらも、天性の味覚と負けん気で、日々研鑽を重ねる澪。

しかし、そんなある日、彼女の腕を妬み、名料理屋「登龍楼」が非道な妨害をしかけてきたが・・・・・。

料理だけが自分の仕合わせへの道筋と定めた澪の奮闘と、それを囲む人々の人情が織りなす、連作時代小説の傑作ここに誕生!



この本、ちょっと面白いかも。

時代物ながらとても読みやすく、ベタな展開ながらも、ついつい読んでしまう納まりの良い物語。

作家さんが漫画家でもあると知り、妙に納得しました。


次から次へと主人公:澪へ降りかかる災い。

周りを固めるのは、主人公を助ける温かい人々、口が悪い謎多き男、絶対的な悪役…

分かりやす程の立ち位置で、内容もある程度想定内なのに、少女マンガみたいにワクワクしてしまった。


大阪で料理修行中に水害にあい、天涯孤独で江戸に降り立った澪。

魚のさばき方も、出汁の取り方も全く違う文化で、日々奮闘する姿は、健気で誰もが応援したくなる。

私は食文化の違いを身に染みて感じているので、料理の話は楽しくて仕方がなかった。

澪がこだわりたいと思った昆布出汁は、江戸では受け入れてもらえない。

昔々から、北海道の昆布は真っ直ぐ海を渡って大阪へ入っていたので、昆布に対するこだわりはかなり強い。

上方の昆布のこだわりを読みながら、大好きな山崎豊子さんの「暖簾」をとても懐かしく思い出しました。


才のない者には、恥かかんよう盛大に手ぇ貸したり。

けど、才のある者には手ぇ貸さんと、盛大に恥かかしたり。


澪に料理を仕込んだ旦那さんの言葉。

気持ちのいい言葉が随所にあり、肩ひじ張らず楽しく読める、中高生にもお勧めのシリーズものです。



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17:21 高田 郁 | コメント(0) | トラックバック(0)
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