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降霊会の夜 / 浅田 次郎

2012/06/24
4022509503降霊会の夜
浅田 次郎
朝日新聞出版 2012-03-07

by G-Tools

謎めいた女の手引きで降霊の儀式に導かれた初老の男。

死者と生者が語り合う禁忌に魅入られた男が魂の遍歴の末に見たものは……。

至高の恋愛小説であり、一級の戦争文学であり、極めつきの現代怪異譚――。

まさに浅田文学の真骨頂! 内容説明より



色んな作品を書き分けられる方ですが、この作品は「鉄道員」や「地下鉄に乗って」に近い雰囲気。

なのに泣けないし、心もほっこりもしない。

読者が期待しそうな収まりの良さがなく、突きつけられる現実は苦い。

いいなぁと思いました。

この作品で泣かせようと思えば、浅田次郎なら簡単だと思う。

あえて夢物語にはせず突き放しにかかるのは、作者が主人公に投影されているからだろうか。


立っているだけで周りの景色が上向きに導いてくれる良い時代。

戦後の高度成長期に乗って、さほどの苦労もないまま年をとった男。

初老と呼ばれる年になって、ふとしたきっかけで降霊会へと誘われる。

信じるつもりは少しもなかったのに。

そこで見たものは自分が過ごしてきた日々。

心のどこかで引っかかっていたもの。

視野に入っていながら、直視することを無意識に避けてきた相手。


知らない間に誰かを傷つけ、大切な人を素通りしてきたのかもしれない。

本当の想いを知り、いくら後悔しても、人生をやり直すことは出来ない。

どこまでも手助けがなく、孤独に捨て置かれる男。


降霊会ですがおどろおどろしくはなく、綺麗な作品だった。

閉じ込められた空間が別荘地ってのもまた素敵です。

読み終わってから、また最初に戻って読み返して欲しい。

全てを集約するかのような言葉。

浅田次郎を読んだぞって気になる作品です。



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12:18 浅田 次郎 | コメント(2) | トラックバック(0)

天国までの百マイル / 浅田 次郎

2010/12/21
4022572957天国までの百マイル
浅田 次郎
朝日新聞社 1998-11

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主人公の城所安男は、自分の会社をつぶしてしまい、いまや別れた妻子への仕送りもままならぬほど落ちぶれた中年男。

ある日、心臓病で入院する母を見舞った安男は、主治医から病状の深刻さを告げられ愕然とする。

そのまま治療を続けても母の余命はごくわずか。

残された道はただひとつ、謎の天才外科医にバイパス手術を施してもらうこと。

衰弱した母をワゴン車に乗せた安男は、房総のひなびた漁村にあるカトリック系病院目指して、100マイルの道のりをひた走る。

はたしてその先に奇跡は待っているのか――。( Amazon.co.jpより)




お疲れのとき、私の大好きな本です

直球ストレート。

小説として捻りも技巧も排除して、あえてど真ん中勝負

ちょっと面倒を抱えているとき、こんなストレートな表現にやられてしまいます。

普段本を読まない人にもお勧めの一冊。

「こんな単純には泣けないぜぇ」って意見も、もちろんあるようですけど。

単純パーツを組み合わせて作られた私には、もう全然ダメです。

号泣だもん。


貧乏だった、成功して良い思いもした、失敗した、家族も失った。

何もない今の自分を支えるものは、母に生きて欲しいという思いだけ。

これは母への愛情物語だけではない。

そう見せかけての、脇役主役の物語。


主人公に大きな色を持たせないことで、他を引き立てる狙いがあるのでしょうか。

「おおっ」と惹きつけられる脇役が魅力的で、この本の本質。

ブスでデブのマリが、女として最上級

男の理想の女はきっとこんな女性。


浅田次郎らしさ全開のエンターテイメント。

また、ここに出てくる病院は、千葉鴨川に実在する病院をモデルにしており、その辺りも楽しいところ。

良かったら読んでみて下さい。


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14:51 浅田 次郎 | コメント(2) | トラックバック(0)

ハッピー・リタイアメント / 浅田 次郎

2010/10/06
434401751Xハッピー・リタイアメント
浅田 次郎
幻冬舎 2009-11

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定年を四年後に控えた、しがない財務官僚・樋口慎太郎と愚直だけが取り柄の自衛官・大友勉。

二人が再就職先として斡旋されたJAMS(全国中小企業振興会)は、業務実体のない天下り組織。

その体質に今イチ馴染めない樋口と大友は、教育係となった秘書から、ある秘密のミッションを言い渡される…。



プロローグで登場する作家「浅田」は作者本人。

なんと、浅田次郎に実際に起こった、嘘のような話です。

主人公は、浅田次郎お得意の、不器用で真面目でちょっとバカ。

そんな二人が定年4年も前に、世間が羨ましがるであろう、おいしい天下りを用意されたら…

非日常の世界に放り込まれた二人の滑稽さ、旧役人に対する風刺を、あくまでも面白おかしく書いています。


「天下り」主体にストーリに目を向けると、スリリングさに欠け、勧善懲悪でもないので、読後スッキリというわけにはいきません。

本筋は「本当の幸福とは何か」を、愛すべきおっさんを通して発する温かなメッセージ。

作者の年齢ならではの人生観に、失うことのない夢を感じます。

結局誰が幸せなんだい??

ちゃんと判ってますかと聞かれているようです。


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17:12 浅田 次郎 | コメント(2) | トラックバック(0)

地下鉄(メトロ)に乗って / 浅田 次郎

2010/08/17
4062645971地下鉄に乗って (講談社文庫)
浅田 次郎
講談社 1999-12-01

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永田町の地下鉄駅の階段を上がると、そこは30年前の風景。

ワンマンな父に反発し自殺した兄が現れた。

さらに満州に出征する父を目撃し、また戦後闇市で精力的に商いに励む父に出会う。

だが封印された“過去”に行ったため……。思わず涙がこぼれ落ちる感動の浅田ワールド。

第16回(1995年) 吉川英治文学新人賞受賞  出版社/著者からの内容紹介



永田町の地下鉄の階段を上がると、そこは30年前の風景だった。

突然のタイムスリップ。

そこで出逢ったのは 自殺した兄と、満州に出征する若き日の父。

向き合うことを避けてきた 父の意外な一面に 反発しながらも引き付けられていく。


浅田次郎の文句なしの代表作。

抒情的でSFでヒューマンで、なのに泣けちゃって。

さすが浅田次郎の濃密な世界です。


戦後の混乱期はテンポ良く、反面 丁寧に丁寧にラストにかけて積み上げられたストーリー。

まさかの展開に、最後まで読んで 涙だけでなく心にじんと残るものがあります。

一番大切な人は誰ですか?

女性なら皆、考えてしまうんじゃないでしょうか。


何が正解かは、読む時々によって変わるかもしれない。

時間をおいて読むとまた、以前とは違った良さを感じます。


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21:28 浅田 次郎 | コメント(0) | トラックバック(0)
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