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大地の子 / 山崎 豊子

2010/10/09
4163122702大地の子〈上〉
山崎 豊子
文藝春秋 1991-01

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日本人残留孤児で、中国人の教師に養われて成長した青年のたどる苦難を、文化大革命下の中国を舞台に描く大河小説。

陸一心は敗戦直後に祖父と母を喪い、妹とは生き別れになった。

日本人であるがゆえに、彼は文化大革命のリンチを受け、内蒙古の労働改造所に送られて、スパイの罪状で十五年の刑を宣告される。

使役の日々の中で一心が思い起こすのは、養父・陸徳志の温情と、重病の自分を助けた看護婦・江月梅のことだった…



この作品を初めて読んだのは、高校か大学だったと思います。

学生の私は中国残留孤児について、申し訳ないほど何にも知らなかった。

中国に取り残された日本の子どもが、あまりにも安い値段で人身売買されていた事。

その一方、リスクを冒してまで、敵国日本の子を我が子として育てる、中国人養父母がいた事。


折り重なる死体に隠れて生き延びた幼い陸一心。

その運命はあまりにも過酷で、先を読むのが辛くなります。

それでも、残酷な世界から逃げることができないまま、中国で亡くなった多くの子を思うと、日本人として知らなければ申し訳ない。

彼らにとっての祖国とは。

想像しかできない読み手の胸を、強く強く打ってきます。


資料抜粋が多い山崎豊子に批判はつきもので、今作品も盗作疑惑がありましたが勝訴しています。

また、小説色が強くなると、展開の都合の良さが少々目につきます。

でもそんな批判をひっくるめて、やはり知らないより知っておいたほうが良いと思うのです。


本当に文章は難しい。

読み返しては、自分の表現力不足に呆れてしまいますが、思いが伝わりますように。


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19:00 山崎 豊子 | コメント(6) | トラックバック(0)

花のれん / 山崎 豊子 

2010/09/14
4101104034花のれん (新潮文庫)
山崎 豊子
新潮社 1961-08

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山崎豊子の初期の作品の代表作。

第39回直木賞受賞



「花のれん」は吉本興業を創業した、吉本せいをモデルにした作品。

戦前の上方の寄席小屋や大阪商人の世界を、商売一筋に生きた一人の女性の人生に沿って、情緒豊かに描かれています。

桂春団治、エンタツ・アチャコなども実名で登場。

商売に夢のあった時代。

小さな劇場から少しずつ積み上げていく様は、潔くその努力も半端ではない

人も小説もこじんまりと弱くて、優しくなっている現在。

一つ前の時代の作品を、合間に読むと新鮮です。

何だか理屈抜きに生きる力が前面に出ていて良いですよ。


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16:18 山崎 豊子 | コメント(0) | トラックバック(0)

暖簾 / 山崎 豊子  

2010/09/14
4101104018暖簾 (新潮文庫)
山崎 豊子
新潮社 1960-07

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山崎豊子は大阪市中央区、昆布商店(小倉屋山本)の老舗に生まれています。

山崎豊子の初期の作品は、船場など大阪の商人を描いた作品が多く、現代人にはない人としての強さが魅力です。

丁稚奉公から番頭へ上がり、暖簾分けを許されるまでの苦労。

その暖簾を何とかして親子2代守り続ける様。

まさに波乱万丈


また、昆布の加工工程など、削った粉が舞い、香りも伝わってきそう。

これぞ生家の強み。本当に描写がいいのです。

作風、テーマはどんどん変わっていきますが、これは山崎豊子の得意分野

やっぱり、生き生きとしていて面白い。


大阪市中央区は今も商売の中心ですが、立派なビルが立ち並ぶオフィス街。

でも一、二本道を入ると昔ながらの門構えの店があります。

古い素敵な雰囲気の店だなと思うと、つい暖簾の古さを見てしまいます。


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16:10 山崎 豊子 | コメント(2) | トラックバック(0)

沈まぬ太陽 / 山崎 豊子

2010/08/26
4101104263沈まぬ太陽〈1〉アフリカ篇(上) (新潮文庫)
山崎 豊子
新潮社 2001-11

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アフリカ篇
国民航空の恩地は、労働組合の委員長として経営陣と激しく対立。その報復人事として、アフリカに左遷される。
その期間は、カラチ、テヘラン、ナイロビと8年にも渡り、その間に日本に残した家族の心も離れてしまう。
一方、組合の副委員長として共に戦ってきた行天四郎は、堂本常務に付き、出世街道を歩み始める。

御巣鷹山篇
やっと日本に帰国できた恩地であったが、東京本社に戻っても懲罰は続き、10年間閑職に追いやられ続ける。
そんな中、御巣鷹山で国民航空のジャンボ機が墜落。突然、現地対策本部に配属された恩地は、現場に赴き遺族係を命ぜられる。
バラバラになった遺体、泣き崩れる遺族、国民航空の社員として矢面に立たされながらも、遺族の心に寄り添おうと奔走する。

会長室篇
御巣鷹山墜落事故から4ヶ月後。
政府は国民航空を再建させるべく、関西の紡績会社の会長、国見正之を国民航空会長に就任要請した。
国見が新設した「会長室」の部長に抜擢された恩地は、腐敗体質を正し、次期社長の座を狙う行天と対立する。



沈まぬ太陽は「登場人物、各機関・組織などを事実に基づき小説的に再構築したフィクション小説」です。
もちろん日本航空をモデルとした話で、登場人物にも実在モデルが存在します。
小説としてあらすじ、人物像に脚色している点を留意して読んで下さい。
日本航空/JALはこの小説を不快に思っているようで(会社内部の腐敗体質の暴露ですから、当然ですが…)存在を認めていません。

それでも私は、事実に出来るだけ近い形で小説として成立させたこの本に、とても価値があると思っています。

焦点を当てる人によって見え方は違ってくるので、完全な事実は存在しなくても、考えないより考えたほうがいい。

知らないより知ったほうがいい。と思うからです。

JAL再建問題でよく聞かれる複雑な組合関係も、この小説で多くの組合が存在する理由や、現在に至る過程がよく解ります。


御巣鷹の事故については、マスコミでは報道しきれない、あまりにも残酷で悲惨な惨状に言葉もありません。

愛する人を探す遺族の姿に、胸がつぶれる思いがします。

その中、少しでも遺族の方に寄り添えるよう、力を尽くした社員がいたことがせめてもの救いです。

全巻は長くて…と思う方は御巣鷹篇だけでもいかがでしょうか?

読むにもとても心が辛いですが、御巣鷹篇だけでも、ぜひ読んで頂けたらなと思います。


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18:52 山崎 豊子 | コメント(0) | トラックバック(0)
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