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ハピネス / 桐野夏生

2013/09/04
ハピネスハピネス
(2013/02/07)
桐野 夏生

商品詳細を見る

三十三歳の岩見有紗は、東京の湾岸地区にそびえ立つタワーマンションに、三歳二カ月の娘と暮らしている。

結婚前からの憧れのタワマンだ。

おしゃれなママたちのグループにも入った。

そのリーダー的な存在は、才色兼備の元キャビンアテンダントで、夫は一流出版社に勤めるいぶママ。

他に、同じく一流会社に勤める夫を持つ真恋ママ、芽玖ママ。

分譲ではなく賃貸の有紗は、みんなには夫は海外勤務と話しているが、隠していることがいくつもあった。

「VERY」大好評連載に、新たな衝撃の結 末を大幅加筆! 内容紹介



住んでいる部屋、夫の仕事、妻の容姿、卒業大学、実家の場所。

同じタワーマンションなのだから、引いて見れば似たり寄ったりのはずだが、中に入ると細かな差異でランク付けがなされている。

それが題材なのは、決して目新しいことではない。

だがそこは、桐野夏生。

イラつかせる女を書かせたら天下一品なので、ぐずぐずとくすぶった感じがとても面白い。

登場人物にははっきりとした黒が存在しない。

どこもかしこも、どんよりとしたグレーばかり。

悪い人と言い切れない気持ちの悪いグレー感がリアルでした。


そもそも、この中で格下と見られている有紗のタワマンの家賃が23万円なのだから、どこの世界かという感じ。

「VERY」に連載されていたと知り、妙に納得してしまった。

時間があればエステとネイルに通い、夫にシャネルの時計を買ってもらえる妻の話だ。

遠い世界の揉め事は、下世話で楽しい。

その感覚だけで読むなら、面白いです。

とてもじゃないが非現実的過ぎて、自分と比較して云々とはなれない。


主人公有紗とその夫が、登場人物の中で一番華がない。

華がなくて、決断力がなくて、世間からずれていて、もぞもぞとしているくせに、ランクの高い母親と付き合いたがる。

そこを主人公に据えるSっぽさが桐野夏生だな、とちょっと怖かった。



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21:48 桐野 夏生 | コメント(0) | トラックバック(0)

緑の毒 / 桐野 夏生

2013/01/25
4048742353緑の毒
桐野 夏生
角川書店(角川グループパブリッシング) 2011-09-01

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妻あり子なし、39歳、開業医。

趣味、ヴィンテージ・スニーカー。

連続レイプ犯。

水曜の夜ごと、川辺は暗い衝動に突き動かされる。

救命救急医と浮気する妻に対する、嫉妬。

邪悪な心が、無関心に付け込む時――。 内容紹介



桐野夏生は好きなんですが、今回のはさらさらと読める割には内容は薄かった。

この人、なにを書きたかったんだろう??


連続レイプ犯は、薬を打って女性を眠らせてしまうので、読んでしんどくなるような残忍さは感じない。

とても軽く、ひょいひょいと犯罪を犯してしまう。

あえての軽さの先に、隠されたものがあるかと思ったが、とりたててない。


追い込まれた女性が立ち上がる姿は「OUT」を思い起こさせ期待もしたが、そこまでにも辿り着かず。

犠牲になった女性たちを描くなら、もう少し掘り下げるものがないと。

チャットやツイッターを駆使した以外にはあまり珍しさはない。

夫の嫉妬も病的なまで振り切らず、悪い人たちは最後まで自分が大好きなままだった。


軽めの桐野夏生として割り切って楽しむには、丁度良いかも知れません。

リアリティがない分、女性が読んでもそこまでしんどくはないと思う。

短編で雑誌に出ていたので細切れな印象を受けてしまうが、書き下ろしなら、全然違った印象を受けたと思います。



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11:24 桐野 夏生 | コメント(2) | トラックバック(0)

グロテスク / 桐野 夏生

2010/12/06
4163219501グロテスク
桐野 夏生
文藝春秋 2003-06-27

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主人公の「わたし」には、自分と似ても似つかない絶世の美女の妹ユリコがいた。

「わたし」は幼いころからそんな妹を激しく憎み、彼女から離れるために名門校のQ女子高に入学する。

そこは一部のエリートが支配する階級社会だった。

エリートたちに認められようと滑稽なまでに孤軍奮闘していた佐藤和恵。

やがて、同じ学校にユリコが転校してくる。

エリート社会に何とか食い込もうとする和恵、その美貌とエロスゆえに男性遍歴を重ねるユリコ、そしてだれからも距離を置き、自分だけの世界に引きこもる主人公。

彼らが卒業して20年後、ユリコと和恵は渋谷で、娼婦として殺されるのだった。




桐野夏生はこの本で「この世の差別のすべてを書いてやろうと思った。」と語っている。

お金、家柄、土地柄、教養、そして美醜。

女の美しさが鍵となり、コンプレックスを生み、執拗な妬みへと繋がる。


エスカレーター式のお嬢様学校では、内部に上下関係のルールがあり、金と美貌でランク付けされるらしい。

女同士の嫉妬、軽蔑、悪意が蠢いていてまさにグロテスク。

心の奥深くにあるものを、搾り出すような作業。

階級社会に属することと引き換えに、こんなにも心を差し出さなければいけないのでしょうか。

自分を失っていく彼女たち。

本当に欲しかったものは何だったのだろうか。


主人公の語りは一方的で、殺された二人を蔑む嫌らしい印象を受ける。

しかし中盤、死んでしまった二人の手記や手紙が出てくることから、この主人公さえも本当の事を言っているのか分からなくなる。

誰もが自分本位な考えで解釈し、微妙にズレていく様を、読み手に時間を置いて感じさせる辺りが上手い


桐野夏生に登場する男はみんな汚く弱い。

女はみんなグロテスク。

これこそ女にしか書けない話ではないでしょうか。


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17:05 桐野 夏生 | コメント(6) | トラックバック(0)

顔に降りかかる雨 / 桐野 夏生

2010/11/19
4062066688顔に降りかかる雨
桐野 夏生
講談社 1993-09

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親友のノンフィクションライター宇佐川耀子が、一億円を持って消えた。

大金を預けた成瀬時男は、暴力団上層部につながる暗い過去を持っている。

あらぬ疑いを受けた私(村野ミロ)は、成瀬と協力して解明に乗り出す。

二転三転する事件の真相は?

女流ハードボイルド作家誕生の’93年度江戸川乱歩賞受賞作。内容(「BOOK」データベースより)



ミステリーデビュー作であり、ミロシリーズ一作目になります。

これは書いておかないと、と久々に読みましたが、やはり暗い!怖いよ~

愛されキャラを作ることを放棄したかのような作風は、最初からなんだなあ(笑)。と改めて感じました。


その上今作品は、ネオナチ、死体写真愛好家、SM。

もう、いちいちハードで濃い。

描写のしんどいところは流さないと、臆病者には読めません。


残念ながら、登場人物が怪しい割には、意外と調査に協力してくれて肩透かし。

広く浅くなるなら、そんなに散らさなくても良かったのにという印象です。


それでも、ミロの主役とは思えない欠損した性格は好きです。

行動にブレがあって、この矛盾も憂いも32歳の女としてリアル

爽快感なんて欠片も求めていなく、ミロを創りあげることに賭けた潔さが気持ち良い。

桐野夏生らしさが満ちていて、デビュー作として読む価値はあります。


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17:00 桐野 夏生 | コメント(9) | トラックバック(0)

OUT / 桐野 夏生

2010/11/05
4062085526OUT(アウト)
桐野 夏生
講談社 1997-07

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深夜の弁当工場で働く主婦たちは、それぞれの胸の内に得体の知れない不安と失望を抱えていた。

「こんな暮らしから脱け出したい」

そう心中で叫ぶ彼女たちの生活を外へと導いたのは、思いもよらぬ事件だった。

なぜ彼女たちは、パート仲間が殺した夫の死体を、バラバラにして捨てたのか?

犯罪小説の到達点。

98年日本推理作家協会賞受賞 内容(「BOOK」データベースより)



桐野夏生の中でも、かなり印象が強く好きな作品です。

バラバラにしてしまう辺りの怖い描写は、すーっと斜め読みをしておりますが…。


桐野夏生からは、登場人物を魅力的に見せる気が感じられない。

もちろん、そんな訳はないのだけれど、そう思わせる程、彼女たちの心はカラカラに乾いている。

深夜の弁当工場。

仕事も、夫選びも、子育ても、何もかも上手く立ち回れなかった女が集まり、もくもくと流れ作業をこなす。

我慢の限界を超え、夫を殺してしまった主婦。

その夫をバラバラにして棄ててしまう仲間。

何の為に、誰の為に… そろぞれの思惑が絡み、友情のバランスも崩してしまう。


自分の我儘なんて言っていない。

贅沢なんて望んでいない。

ごく小さな希望も叶えられない、幸の薄い女たち。

現実から脱出する為に見せる本性は残酷で、静かな女の底力に身震いします。


反面、手にした大金で、わずか5000円のブローチを嬉しそうに買ってしまう。

女の悲しさをこんな風に表現するなんて、見事


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18:32 桐野 夏生 | コメント(2) | トラックバック(0)
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