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首折り男のための協奏曲 / 伊坂 幸太郎

2015/02/18
首折り男のための協奏曲首折り男のための協奏曲
(2014/01/31)
伊坂 幸太郎

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首折り男は首を折り、黒澤は物を盗み、小説家は物語を紡ぎ、あなたはこの本を貪り読む。

胸元えぐる豪速球から消える魔球まで、出し惜しみなく投じられた「ネタ」の数々!

「首折り男」に驚嘆し、「恋」に惑って「怪談」に震え、「合コン」では泣き笑い。

黒澤を「悪意」が襲い、「クワガタ」は覗き見され、父は子のため「復讐者」になる。

技巧と趣向が奇跡的に融合した七つの物語を収める、贅沢すぎる連作集。 内容紹介



あとがきによると、この作品は今までいくつかの雑誌に書いた短編を、緩やかに繋がるように編集されたそうです。

読み終わって少しハテナが頭に残っていたので、こういう説明をしてもらうと分かりやすい。


過去の作品に出てきた登場人物が出てきたり、前編と繋がっていたり、全く繋がっていなかったり。

連結短編ではないけど、伝えたいもののイメージが一定の法則で流れている。

不思議な作りだなと思っていました。

仕掛けが巧妙な伊坂さんの作品だから、もっと他に狙いがあるんじゃないかと、あちこち探って読んでいました。


どの作品もなかなか素敵。

クワガタの話は最初無意味ないじめに救いのなさを感じたのだけれど、まさかクワガタから神様まで展開するとは!

どの話も入口が突飛で、だけど出口も意外なところにあって、出口から出された読み手が一瞬キョトンとしてしまう。

何度もその繰り返しの中で、いかにもな可笑しさがツボに入りました。


今までの作品は、テンポが良くて一気読みしてしまうものが多いですが、この作品はのんびりと読む心地よさがある。

ずば抜けた面白さはありませんが、ちょっと変化球でくすっと笑ってしまう。

また読み返しても、きっと楽しいだろうなぁ。



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11:16 伊坂 幸太郎 | コメント(2) | トラックバック(0)

夜の国のクーパー / 伊坂 幸太郎

2015/01/29
夜の国のクーパー夜の国のクーパー
(2012/05/30)
伊坂 幸太郎

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この国は戦争に負けたのだそうだ。

占領軍の先発隊がやってきて、町の人間はそわそわ、おどおどしている。

はるか昔にも鉄国に負けたらしいけれど、戦争に負けるのがどういうことなのか、町の人間は経験がないからわからない。

人間より寿命が短いのだから、猫の僕だって当然わからない――。

これは猫と戦争と、そして何より、世界の理のおはなし。

どこか不思議になつかしいような/誰も一度も読んだことのない、破格の小説をお届けします。

ジャンル分け不要不可、渾身の傑作。

伊坂幸太郎が放つ、10作目の書き下ろし長編。 内容紹介より



この小説の前評判がよろしくなかったので後回しにしてきましたが、ふと目の前にあったので読んでみました。

あらま、思った以上にファンタジー。


主人公はいつも通りの雰囲気。

草食系で頼りなくて争いを好まない、たぶん伊坂さんそのものであろう「僕」。

そんな優しい主人公がファンタジックな小説に存在してしまっては、もうそれだけで掴みどころがない世界が完成してしまう。

前半はちょっと靄がかかりすぎていて読みづらくもありました。


伊坂さんの作品は、根本的な設定をくるんとひっくり返してしまうような緻密なトリックが特徴的だと思います。

最初の、本当に最初の基礎の部分で、読み手を完璧にだましてしまう。

この作品も同じように、最後にくるりとひっくり返す。

その楽しさがいいなぁとにんまり。


ただ、この作品に関しては、いつものようなかちりと完璧な収め方ではなく、その結末までふんわりぼかしている。

「言っていることがすべて正しいとは限らない」「可能性はある」「ではないだろうか」…など。

ラストで曖昧な表現を、意図的に使っているようにも見えました。


戦争を見せながら、人の心の話につながったり。

猫とネズミの世界を見せながら、人間の侵略につながったり。

断定しきらないラストを読みながら、当たり前の日常を、自分のことと置き換えて考えさせられました。

いつもの気持ちよく笑わせてくれたり、いい感じで騙してくれたりする作品の方が好きですが、この作品もまた奥深いものがありました。



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16:20 伊坂 幸太郎 | コメント(2) | トラックバック(0)

死神の浮力 / 伊坂幸太郎

2014/08/05
死神の浮力死神の浮力
(2013/10/25)
伊坂幸太郎

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おまえはまだ死なない。俺がついているから――。

ベストセラー『死神の精度』の「千葉」が8年ぶりに帰ってきました!

しかも今回は長篇、冒頭の一部を除いてすべて書き下ろし。

7日のあいだ対象の人間を観察し、「可」か「見送り」を判定。

「可」の場合8日目にその人間の最期を見届ける……。

人間界でひっそりとこんな仕事をしている死神の千葉。

クールでとぼけた彼のちょっとテンポのずれた会話と、誠実な仕事ぶりをたっぷりお楽しみください。内容紹介より



前回は連結短編でしたが、今作品はたった1人の判定をクローズアップした7日間。

「千葉」の千葉らしさはそのままに、「死神の精度」を時折絡ませながらの軽快なサスペンスでした。

登場する時代が1つなので、千葉が姿形を変える楽しさがないのは残念ですが、連結短編が2作続くよりタイプが変わっていいなぁ。

死神は今後もシリーズになりそうで楽しみです。


娘を殺したにもかかわらず、軽々と無罪になった犯人に、復讐しようとする両親。

犯人は、サイコパスと呼ばれる良心を持たない冷淡で残虐な男。

思うように操られ心を乱される両親を、千葉が緩やかにピンチから救い、不可解な言動で空気を和ませる。


全体的に本当に楽しかったと思う。

千葉の死神っぷりは今回の方が多彩で、創作の物語だと分かっていても、ありそうな気がする妙なリアルさがありました。

ただ、犯人像がサイコパスの設定だとしても、なぜそこまでこの家族に執着するのか。

いまいち伝わるものがなかった。

またサイコパス犯人像として、魅力的な見せ方でもなかったと思う。

「マリアビートル」の中学生:王子を読んだ時の不快さに似ています。


日頃から小説を読み終えたとき、最初の数ページだけを軽く読みなおすことが多いです。

伊坂さんの作品は、後半へとつながる道筋が、最初から美しく配置されていて、読みなおすと本当に面白い。

生涯何度も読みなおす作品ではありませんが、細やかな心配りが楽しく、いつも感心しています。



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12:19 伊坂 幸太郎 | コメント(2) | トラックバック(0)

ガソリン生活 / 伊坂 幸太郎

2014/07/14
ガソリン生活ガソリン生活
(2013/03/07)
伊坂 幸太郎

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実のところ、日々、車同士は排出ガスの届く距離で会話している。

本作語り手デミオの持ち主・望月家は、母兄姉弟の四人家族(ただし一番大人なのは弟)。

兄・良夫がある女性を愛車デミオに乗せた日から物語は始まる。

強面の芸能記者、不倫の噂、脅迫と、いじめの影―?

大小の謎に、仲良し望月ファミリーは巻き込まれて、さあ大変。

凸凹コンビの望月兄弟が巻き込まれたのは元女優とパパラッチの追走事故。

謎がひしめく会心の長編ミステリーにして幸福感の結晶たる、チャーミングな家族小説。「BOOK」データベースより



自動車がしゃべっている…

物にもみんな心があって、自動車同士が話していたら楽しいな。

空想の世界を上手く膨らまし、ミステリタッチのほのぼの家族物語に仕上げてしまうのは、伊坂さんならではです。

車にそれほど詳しくないので、登場する車の中には、姿形を想像できないものもあった。

車種が性格に反映している設定なので、イメージがわかない車は読みにくくもありましたが、全体的には軽くほっこりした物語です。


語り手である愛車デミオには、人と同じように心がある。

クルマ同士で会話を楽しみ、電車にあこがれを抱き、持ち主である自分の家族を愛している。

車内の会話は聞けても、家の中のでどんな話をしているのかは聞くことが出来ない。

聞こえてくる会話から家族たちの悩みを心配し、助けたいと思い、ハラハラドキドキ見守る日々。

心配ばっかりしているデミオは、なんとも愛おしいものがありました。


以前の作品の家族がひょっこりと顔を出したり、あちらこちらに細々とした遊びがちりばめられています。

ふんわりとした物語のせいか、謎解きでは安易に感じてしまう部分は気になりました。

きちきちとはしていませんが、空想の世界で遊べる、愛車が愛おしくなる作品です。



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13:28 伊坂 幸太郎 | コメント(6) | トラックバック(1)

死神の精度 / 伊坂 幸太郎

2014/02/27
死神の精度死神の精度
(2005/06/28)
伊坂 幸太郎

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CDショップに入りびたり、苗字が町や市の名前であり、受け答えが微妙にずれていて、素手で他人に触ろうとしない―

そんな人物が身近に現れたら、死神かもしれません。

一週間の調査ののち、対象者の死に可否の判断をくだし、翌八日目に死は実行される。

クールでどこか奇妙な死神・千葉が出会う六つの人生。



キャラクターあっての死神の物語。

伊坂さんらしさが生きている流石の楽しさでした。


主人公である死神は、登場する章により、容姿と名前が違っている。

全く違う人物像なのに、しっかりとしたキャラクター設定がなされていて違和感はない。

声というか空気が同じで、淡々とした語りと世間ずれした言葉選びが、とても上手くはまっていました。


上から指定されたある人物が一週間後に死亡することを、「可」とするか「不可」とするか。

これを調査し判断するのが、死神の仕事。


もしこの物語が、単純に死んでも仕方がないような悪人を「可」とし、必要とされている善人を「不可」とするのなら。

それは読者からも想定内の、とてもつまらない話になっていたと思う。

分かりきったような安易な善悪判断に走る気が、さらさらないのが可笑しい。


一見、価値が少ない人のように思える人生。

生き生きなんてしていないし、人生を謳歌しているようにも見えない。

でも彼ら一人一人にも、背負った重い荷物や、小さなしこりがあって。

死神が側に立つことで、それらが形として現れてくる。


特に何をするでもない。

近づき話しかけて、相手が死ぬ許可を本部に出し、死亡確認をするという、ひどい仕事をしているのに。

何故だか幸せな物語に思えてしまうラスト。

死神なのに、優しい感覚だけが心地よく残りました。

テンポの速い暴力的な伊坂さんもありですが、やはりこういう作品がしっくりくるように思います。



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11:22 伊坂 幸太郎 | コメント(2) | トラックバック(0)
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