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四度目の氷河期 / 荻原 浩

2013/02/24
4104689033四度目の氷河期
荻原 浩
新潮社 2006-09-28

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人生を語るには、早すぎるなんて言わせない。

ぼくは今日から、トクベツな子どもになることにした―

何をやっても、みんなと同じに出来ないワタルは、ある日死んだ父親に関する重大な秘密を発見する。

その瞬間から、少年の孤独なサバイバルゲームは始まった。

「自分」を生きるため、本当に大切なことって何?

『明日の記憶』の著者が描く、今ここにいることの奇跡。

17歳の哀しみと温もりが、いま鮮やかに甦る。 内容(「BOOK」データベースより)



タイトルを見て、「就活」がテーマだと思い込んでいた私。

まさか、父親をクロマニヨン人だと信じてしまう少年のお話だとは。

父親の姿を追い求めながら、自分が何者であるのかを模索する少年の成長物語。


じっと座っていられない。

他の人と話がうまく出来ない。

髪の色が違う。

足がとても速い。

背が飛びぬけて高い。

顎が発達している。

体毛が濃い。


何をやっても人とは違う僕は、誰にも似ていない。

シングルマザーで研究者の母は、父親がどんな人だったのか、頑なに教えてくれない。

母の研究所を読んでいて見つけた「クロマニヨン人」の表記。

今まで誰にも重ねることが出来なかったのに、クロマニヨン人に自分の父親像がぴたりと重なった。


クロマニヨン人の父と狩りに出ることを夢見て、石器を作る少年の僕。

突飛な設定だけれど、全体的にとても優しい雰囲気が漂う。

顔が腫れるまで殴られようと、下着を汚そうと、物語の形はファンタジーだ。


エピソードをもう少し絞っても良かったと思う。

同じリズムが続きすぎた学生時代が間延びして長い。

「さよならバースディ」が好きな人には好みかと思います。

面白い設定だけれど、「読ませる」という意味での勢いは物足りない。



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15:15 荻原 浩 | コメント(0) | トラックバック(0)

誰にも書ける一冊の本 /  荻原 浩

2012/09/05
4334927599誰にも書ける一冊の本 (テーマ競作小説「死様」)
荻原浩
光文社 2011-06-18

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人気作家6人が挑む、光文社のテーマ競作小説。

最期のあり方を考えると、今の生き方が見えてくる。

テーマは「死様」。

父が書き遺したものは、事実か創作か。

「何を言われようが、私は自分の心の声に従った」

代表作『明日の記憶』で記憶の死に挑んだ著者が、平凡に思えた男の人生を、その死を通して描く。

子は親の背中を見て育つと言うが、言葉でしか伝えられないことは多い。 内容(「BOOK」データベースより)



「死様」をテーマに、佐藤正午、白石一文などが競作したシリーズの荻原浩バージョンです。

父親の危篤の知らせが入り、北海道の田舎へ帰省した息子。

母親からそっと手渡されたものは、父が秘かに書き溜めていた原稿だった。

平凡な父の意外な一面に驚きつつ、こん睡状態の枕もとで読み進める。


「人は誰もが一生に一冊の本が書ける」というから、少しの自慢話を混ぜた自叙伝なのだろう。

軽い気持ちで読み始めたが、そこに在ったのは今まで見たことのない父の姿。

何を思い、何を隠していたのか。

息子の戸惑い。

少しずつ浮き上がってくる父の姿。

死に近づいた今となって、父との距離が急速に縮まる。


当然と言えば当然ですが。

覚束ない父の文章を挟むことで、いつもの荻原浩と比べると、幾分読みにくい流れです。

その上脇役はどこまでも平凡で、引き込まれる程の要素はない。

まさに平凡な家族。

だからこのタイトルが活きてきて、静かに美しく悲しい


人が死を覚悟した時、どうしても伝えておきたいことがきっとある。

父親と息子ならではの言葉にならない言葉に、ツーンとしてしまう。

答えはそこにあるようで、明確ではない。

なんとも荻原浩らしいぼかし加減が素敵です。



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15:29 荻原 浩 | コメント(4) | トラックバック(0)

愛しの座敷わらし / 荻原 浩

2012/07/15
4022504242愛しの座敷わらし
荻原 浩
朝日新聞出版 2008-04-04

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生まれてすぐに家族になるわけじゃない。

一緒にいるから、家族になるのだ。

東京から田舎に引っ越した一家が、座敷わらしとの出会いを機に家族の絆を取り戻してゆく、ささやかな希望と再生の物語。

朝日新聞好評連載、待望の単行本化! 内容紹介



「愛しの座敷わらし」というタイトル。

表紙には可愛い座敷わらしの絵。

座敷わらしの存在ありきで、誰もがこの本を手に取るはず。


出だしから小さな影が横切り、足音がし、食べ物がなくなり、鏡に映る。

私たち(読者)は座敷わらしの存在を、当然あるものとして認めているので、来た来た来たと思う。

なのに、登場人物だけはこんなに影がちらつくのに、座敷わらしの存在を頑なに認めようとしない。


家族が座敷わらしの存在を認めるまでに、物語の半分を費やしてしまうなんて時間がかかり過ぎだ。

ああ、まどろっこしい。


「志村、後ろーーー!!!」 

って叫べば少しはすっきりするかしら。


さてさて、そんなことはどうでも良いですが、物語はのんびりとした心温まるお話。

東京から田舎に引っ越した家族が、家に住みついていた座敷わらしと交流しながら、家族を再生していきます。

家族5人が交代に語りになるので、視点が変わり面白い。


リストラにあった父、冷やかに夫を見つめる妻、喘息の息子、ハブられた娘、最近ボケ気味のお婆ちゃん。

それぞれの思いに小さなずれがありながらも、根の深い部分では家族を思い合っている。

特に空気を読もうと頑張り過ぎて、人間関係が辛くなってしまった中学の娘。

彼女の不安とプライドのせめぎ合いが上手く表されていて、心から応援してしまう。


終盤、座敷わらしの本当の意味を知り、胸が詰まるようでした。

そんな時代があったんですね。

とても読みやすいストーリーですが、プラスαの何かもしっかりある作品なので、中高生にもお勧めです。


映画化にあたって、可愛い小学生の少年を演じるのは濱田龍臣くん。

このキャスティングはいいなぁ。

映画で必要なけん玉を一生懸命練習したと、どこかのテレビで観ました。

喘息持ちだけどエネルギッシュで、ほんわか優しい雰囲気が彼にぴったりです。



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14:13 荻原 浩 | コメント(2) | トラックバック(0)

僕たちの戦争 / 荻原 浩

2010/12/02
4575235016僕たちの戦争
荻原 浩
双葉社 2004-08

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“根拠なしポジティブ”の現代のフリーターと、昭和19年の「海の若鷲」にあこがれる軍国青年が、時空を超えて入れかわった!

それぞれの境遇に順応しつつも、ふたりはなんとか元の時代に戻ろうとするが……。

おもしろくて、やがて切ない、愛と青春の戦争小説。出版社/著者からの内容紹介




今どきフリーターと特攻隊員とが、入れ替わりのタイムスリップ。

良くある設定に、あららという感じ。

主人公健太の頭が悪すぎて、最初はイライラしてしまいます。


タイムスリップしたことが信じられないのは理解できるんだけど、何も空襲中にドッキリカメラの赤いヘルメット探さなくても…。

読み手としては既視感のある設定なのに、主人公二人が設定を理解するまでに、前半部分を使ってしまう(笑)


時間かけ過ぎちゃった。


さて、後半は良くなりますよ。

特攻隊員の吾一が現在の渋谷に立ち、呆然として心の中でつぶやく。


「これが、自分たちが命を捨てて守ろうとしている国の、五十年後の姿なのか?」


とても申し訳ない気持ちになりました。

私たちは守ってもらったこの国を、本当に大切にしているのだろうか?

もう既に他人任せになっていて、「明日も今日ぐらいだったらいいな」と漠然と思ってはいないか?

そんなことを考えていました。


さて、ラストについては賛否両論のようですが、私としては

「前半にあんなに紙使っといて、ここでぼかして切っちゃうの??」


笑いなのか、感動なのか、SFなのか、定まらないまま読んでいて、最後はファンタジーかい!

若い世代にしっかり考えさせたい狙いがあるなら、もう一歩踏み込んで胸を突いてほしいのです。


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15:26 荻原 浩 | コメント(2) | トラックバック(1)

明日の記憶 / 荻原 浩

2010/11/10
4334743315明日の記憶 (光文社文庫)
荻原 浩
光文社 2007-11-08

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知っているはずの言葉がとっさに出てこない。

物忘れ、頭痛、不眠、目眩――告げられた病名は若年性アルツハイマー。

どんなにメモでポケットを膨らませても確実に失われていく記憶。

そして悲しくもほのかな光が見える感動の結末。

上質のユーモア感覚を持つ著者が、シリアスなテーマに挑んだ最高傑作。

第18回山本周五郎賞受賞 第2回本屋大賞第2位 (出版社 / 著者からの内容紹介)



ユーモア色の強い荻原浩が、若年性アルツハイマーをテーマに書いた作品。

内容をこねくり回すことなく、とても真っ直ぐ、誠実に向き合った印象を受けました。


告知を受け、眠れない日々。

周囲に悟られないよう、必死でメモを取り続ける。

メモでパンパンに膨らんだスーツのポケットを、目立たないよう、ぎゅっと上から押さえつける。

現役であることのプライド、自分でも認めたくない、誰にも気付かれたくない。

主人公の不安な心が、この ぎゅっ と押さえつける仕草に凝縮されているようです。


記憶が抜け落ちていくことは、自分の欠片がぽろぽろと落ちるかのよう。

自分自身をこれ以上落とさないように、そっと大切に暮らしても、忍び寄る病魔の影。

こんなに辛く、恐ろしく、なのに…

自分に今後起こりうることを想像して、それでも妻と娘を守ろうとする父親の愛。

また、夫の目線からしか妻の心は見えないけれども、その距離感で伝える妻の愛は、より一層胸に響きます。

じんわりと深く 伝わる愛です。


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18:18 荻原 浩 | コメント(8) | トラックバック(0)
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