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鹿男あおによし / 万城目 学

2013/03/15
鹿男あをによし鹿男あをによし
(2007/04)
万城目 学

商品詳細を見る

大学の研究室を追われた二十八歳の「おれ」。

失意の彼は教授の勧めに従って奈良の女子高に赴任する。

ほんの気休めのはずだった。

英気を養って研究室に戻るはずだった。

渋みをきかせた中年男の声が鹿が話しかけてくるまでは。

「さあ、神無月だ―出番だよ、先生」。

彼に下された謎の指令とは?古都を舞台に展開する前代未聞の救国ストーリー。内容(「BOOK」データベースより)



「かのこちゃんとマドレーヌ夫人」を読んだら、久しぶりに読みたくなりました。

奇想天外の物語でも再読して楽しめるのだから凄い。


実際に奈良公園に行くと誰もが感じると思うのだけれど、あそこにいる鹿は動物園の鹿とは少し違う。

堂々とした佇まいは、悠々自適に暮らしている長閑な爺さん婆さん風情。

平然と車道を歩くので、自転車も車も慌てて止まってしまう。

観光日和の週末は、残念ながら鹿せんべいに釣られる大群に出くわすので、あまり美しくはない。

しかし、閑散期や夕方などは圧倒的に人間より鹿が多いので、鹿の独特の空気に圧倒される。

鹿の厳かな雰囲気に遊び心を上手くミックスさせて、土地勘のある人には特にたまらない作品です。


奈良の土地に全く縁のない男が、奈良公園で鹿に突然話しかけられたなら。

「京都にいる狐の使い番から目を受け取ってこい」と。

奈良、京都、大阪の神様の元で、鹿と狐と鼠が何千年も守ってきた約束は、ありそうで、なさそうな、絶妙なライン。

卑弥呼や俳句などを存分に絡ませ、空想話として浮ききらせない上手さがある。


剣道の対戦もまた、軸となる大事な場面。

対抗試合は、ここだけでも十分物語として成立してしまいそうなスリリングな面白さ。

万城目学は文系文系している人だと思っていましたが、青春要素も書けるのですね。


広げた風呂敷はきちんとしまって、心地良い読後感が残る。

結局あれはなんだったんだろう…と思わせるような、煙に巻く感じが万城目学らしさだと思う。

巻き込まれて読むには、とても性格の良い物語。

大好きです。



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13:39 万城目 学 | コメント(0) | トラックバック(0)

かのこちゃんとマドレーヌ夫人 / 万城目 学

2013/03/07
4480688269かのこちゃんとマドレーヌ夫人 (ちくまプリマー新書)
万城目 学
筑摩書房 2010-01-27

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かのこちゃんは小学一年生の元気な女の子。

マドレーヌ夫人は外国語を話す優雅な猫。

その毎日は、思いがけない出来事の連続で、不思議や驚きに充ち満ちている。 内容(「BOOK」データベースより)



万城目学が子どもを書くとこうなるのか。

「サザエさん」から「ちびまる子ちゃん」の時間帯に放送していそうな、とてもほのぼのとした物語。

説明が必要な突飛な設定も、万城目学ならスルーが許される。

不思議な世界を自由に操れる作者だから描ける独特のファンタジーです。


いいなぁ、いいなぁ。

ほのぼのとしていても、緩くも薄くもならないのは素晴らしい。

しっかりとした骨組みと、遊び心が上手く調和した、とても素敵な作品です。


猫のマドレーヌ夫人は、外国語を話せると他の猫から尊敬されている。

外国語とは、犬と話が出来るということ。

夫人の夫は、かのこちゃんちに飼われている老犬:玄三郎。

夫婦の愛の物語でもあり、かのこちゃんんとの友情物語でもあり。

ちょっと涙腺がゆるくなる、大人も子どもも楽しめるファンタジー。


ちなみに、かのこちゃんのお父さんは「鹿男あおによし」の主人公(と思われる)。

かのこちゃんの名前の由来に、雌鹿なのにおっさん声のあの鹿を匂わせる。

絡め方がさりげなくて、なるほど、上手い。



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14:39 万城目 学 | コメント(2) | トラックバック(1)

ホルモー六景 / 万城目 学

2013/01/04
4048738143ホルモー六景
万城目 学
角川書店 2007-11

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古今東西入り乱れ、神出鬼没の法螺試合、若者たちは恋謳い、魑魅魍魎は天翔る。

京都の街に咲き誇る、百花繚乱恋模様。都大路に鳴り渡る、伝説復古の大号令。

変幻自在の第二幕、その名も堂々「ホルモー六景」、ここに推参。 内容(「BOOK」データベースより)



「鴨川ホルモー」の翌年出版されたスピンオフ作品。

本作を読んでいなくても楽しめるようにはなっていますが、もちろん続けて読むに越したことはないです。


あらすじを読んでも、内容がさっぱり伝わらないのが万城目学。

いちようアマゾンから引っ張ってきましたが、どうやら今回も内容を説明する気はないらしい。

ホルモーを簡単に言うと、京都の大学生が小さな鬼を鬼語で操り戦う、サークルの戦争ごっこ。

活動の歴史は古く、現在はなんと500代目。

葵祭、水面下で行われていた歴史的な由緒正しき戦争です。

登場人物も歴史上の人物をモデルに作り上げられているので、名前の設定をたどるだけで面白いです。


「ホルモー六景」では、今までよりさらに突っ込んだお遊びが満載。

登場する歴史上の事柄や人物は多岐に亘り、織田信長から梶井基次郎まで盛り沢山。

この物語の正しい読み方は、にやにやしながら読むことだと思う。

歴史上のことをパロディとして遊ぶような無神経さは感じられない。

ある程度忠実で、そこに若干のロマンチストな夢を被せている。

ありえないが、あったらいいなと思わせるのが、万城目学の良さですね。


本編で私がちょっと気になっていたことも解決された。

「鴨川ホルモー」では、京都の4大サークルが激突しますが、登場する大学は、

京都大学青竜会、立命館大学白虎隊、京都産業大学玄武組、龍谷大学フェニックス。

関西の人間なら誰しも、あれ、同志社は?と思うはず。

京産より同志社が先だろうと。

そんな疑問も解けて嬉しい。



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12:15 万城目 学 | コメント(2) | トラックバック(0)

偉大なる、しゅららぼん / 万城目 学

2012/06/11
4087713997偉大なる、しゅららぼん
万城目 学
集英社 2011-04-26

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万城目学の最新作にして、大傑作!!!

琵琶湖畔の街・石走に住み続ける日出家と棗家には、代々受け継がれてきた「力」があった。

高校に入学した日出涼介、日出淡十郎、棗広海が偶然同じクラスになった時、力で力を洗う戦いの幕が上がった!

内容紹介より



「鴨川ホルモー」は京都。

「鹿男あおによし」は奈良。

「プリンセス・トヨトミ」は大阪。

そして「偉大なる、しゅららぼん」ではついに滋賀が舞台となりました。


京大法学部出身の万城目学が描く関西シリーズは、どこまで広がるのでしょうか。

今作品もあり得ない設定を、あり得なくもなさそうなギリギリラインで走らせる。

「ありなんじゃない?」と思わせる遊びが楽しい。


設定は話の展開に必要なように、ある意味粗く積み上げられている。

序盤から突っ込みたくなるポイントがいくつも目につく。

なのになのに。

終わってみれば説明が付くように上手く回収され、意外な繊細さも感じられる。


食事シーンはいい意味で息抜きポイント。

日出家はもともと成り上がりの一族で、超一流ではない。

朝食はパンケーキ、昼食は近江牛の重箱弁当、夕食は職人が目の前で握るお寿司。

美味しそうだけど、庶民が思い付きそうな典型的な「ボンボンメニュー」じゃないか。

一流半な緩さが漂っていて、つい笑ってしまう。


キャラクターが明確で、憎たらしいのも、引きこもりも、輪郭がくっきりしている。

「ブタん十郎」も「グレート清子」も素敵要素が欠片もないのに好きになってしまう私。

ラストはやはりこうであって欲しいし、こうでなければ万城目学らしくない。

「しゅららぼん」の意味のばかばかしさを知って、もうそれだけでOKです



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11:57 万城目 学 | コメント(4) | トラックバック(2)

プリンセス・トヨトミ / 万城目 学

2012/05/04
416327880Xプリンセス・トヨトミ
万城目 学
文藝春秋 2009-02-26

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このことは誰も知らない。

五月末日の木曜日、午後四時のことである。

大阪が全停止した。

長く閉ざされた扉を開ける“鍵”となったのは、東京から来た会計検査院の三人の調査官と、大阪の商店街に生まれ育った二人の少年少女だった―。

前代未聞、驚天動地のエンターテインメント、始動。 内容(「BOOK」データベースより)



万城目学にしか書けない、万城目学以外は書こうと思わない。

想像力が豊かなのか、そもそもオタク要素が強いのか。


豊臣家が生涯をかけて築き上げた大阪城。

その存在は大阪人の誇りそのものだった。

戦に敗れ焼き払われた大阪城に、上書きするかのように築かれた徳川の大阪城。

あの時城を奪われたが、本当に大阪人の心まで奪われてしまったのだろうか

そんな空想を形にしたファンタジーです。


登場人物の名前、店名、地理、深読みすれば、にやりとしてしまうネタ振り

計画的に振り分けられた笑いの要素が、読み進める内にボディブローのように効いてくる。

歴史に詳しい方は特に楽しめると思います。


中学2年生の大輔の願いはたった一つ。

-女の子になりたい-

少々太めの体型で、セーラー服が全くに合わない大輔が、頑なにセーラー服を貫く純粋さ。

彼の立ち位置が良かったな。


まさかまさかなんだけど。

万城目学でうるうるするとは思わなかった。

もちろん号泣ポイントなんてどこにもない。

ないのだけど、心にずずずと染み込んでくる何とも言えない大切なものがそこに在る。


読みやすいとはとても言えない作品でもあります。

冒頭で全景を見せずに、手探りのまま並行して二つの話が進められる。

ようやく全景が見え、流れが定まるまでに半分は要してしまうので、前半部分を細切れに読んでしまうと辛い。

こういうストーリーでは、ありえない設定を強引に成立させたもの勝ち

その点、展開スピードが遅かったのは残念なところ。


作者が頭の中で想像した世界を、そのまんま作った世界。

万城目学ならではの「あったらいいなを形にしました」

そんなお話です。


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10:00 万城目 学 | コメント(6) | トラックバック(0)
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