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ニシノユキヒコの恋と冒険 / 川上 弘美

2014/07/26
ニシノユキヒコの恋と冒険ニシノユキヒコの恋と冒険
(2003/11/26)
川上 弘美

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ニシノ君とのキスは、さみしかった。

今まで知ったどんなさみしい瞬間よりも。

女には一も二もなく優しい。

姿よし、セックスよし、女に関して懲りることを知らない。

だけど最後には必ず去られてしまう…

とめどないこの世に、真実の愛を探してさまよった、男一匹ニシノユキヒコの恋とかなしみの道行きを、交情あった十人の女が思い語る。

はてしなくしょうもないニシノの生きようが、切なく胸にせまる、著者初の連作集。 内容(「BOOK」データベースより)



以前テレビで見かけた映画の宣伝。

竹野内豊が主人公で、女性の中をするりと抜けるような飄々とした表情が似合っていた。

映画では7人の女性と恋をする設定ですが、原作では女性が10人。

連結短編なのですが、10人の女性と次々繰り返される情事は、さすがに飽きる。


女性を落とそうという気合はない。

懐にすっと入って、瞬く間に心を奪ってしまうニシノ君。

色っぽくて、可愛くて、優しくて、美しくて、身体も素敵。

だけど、他の女性に求められれば断らないし、気が付けば浮気しているし。


こういう男は素敵だけれど、愛してしまった方が負けで辛い。

どうしようもないなぁ。

いい加減諦めて、私の所で腰を落ち着けなさいよ。

喉元まで出かかっていても、怖くて言えないだろうし、言ったところで、居なくなってしまう不安は拭えない。

不安に負けた女性が自ら去っていき、一人残され寂しくなって、また次の恋へ進むニシノ君。


こういう首輪が付けられないような人は、猫みたいだと例えられることが多い。

けれど、ニシノ君はヘビみたいに感じた。

美しい男に体を変えたヘビ。

ふんわり無邪気に居場所を変えているのではなく、ほんの少し怖さがあって、肌はひやりと冷たそう。

きっと川上弘美の「蛇を踏む」のイメージが残っていたのだと思います。

なにかの化身でもいいや。

ニシノユキヒコ、どうしようもない男でも、一度逢ってみたいなぁ。



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17:13 川上 弘美 | コメント(2) | トラックバック(1)

なめらかで熱くて甘苦しくて / 川上 弘美

2013/08/14
なめらかで熱くて甘苦しくてなめらかで熱くて甘苦しくて
(2013/02/28)
川上 弘美

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最初から、こんなふうなものだと知っていた気がする――

性のふしぎを描く瑞々しく荒々しい作品集。

なつかしいのは、男たちの弱さだ――。

「それ」は、人生のさまざまな瞬間にあらわれては「子供」を誘い、きらきらと光った――。

年齢も男女の別も超越し、生と死の交差する場所からあらわれては消えてゆく何ものか。

いやおうなく人を動かす性の力をさまざまなスタイルで描きあげた魅惑的な作品集。全五篇。 内容紹介



やっぱり「蛇を踏む」の人だなぁ。

もともと掴みどころのない人なのに、短編になると更に更に。

一つ一つの物語にどっぷりはまったのに、手の中に何かを掴めた気は全くしない。

そもそも川上弘美は掴んでほしいと思っていないような気もするし。


タイトルからは官能的な物語を想像させるが、そういう描写も含め強い主張は感じさせない。

危ない道も、非道徳的に思われることも、ひょいと素足で超えてしまう。

ストレートな描写はないけれど、ずっと湿気を帯びている色っぽさ。

主人公は乾いているようにしか感じさせないのに、湿度だけは一定で。

何とも不思議な物語です。



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12:56 川上 弘美 | コメント(0) | トラックバック(0)

真鶴 / 川上 弘美

2011/09/15
4163248609真鶴
川上 弘美
文藝春秋 2006-10

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12年前に夫の礼(れい)は失踪した、「真鶴」という言葉を日記に残して。

京(けい)は、母親、1人娘の百(もも)と3人で暮らしを営む。

不在の夫に思いをはせつつ新しい恋人と逢瀬を重ねている京は、何かに惹かれるように東京と真鶴の間を往還するのだった。

京についてくる目に見えない女は何を伝えようとしているのか。

遙かな視線の物語。内容紹介




久しぶりに夜更かしをしてしまった。

最初は移動車中で読んでいたが、音がする中で読むのは雰囲気が合わない。

川上弘美の作品はおとぎ話のようで、深夜に一人読むのがしっくりきます。


失踪した夫がどこかにずっと引っかかっており、「ついてくるもの」に導かれるように真鶴へ足を運ぶ。

京に「ついてくるもの」。

ついてくる女は、最初形のないものだったのに。

次第にその形をはっきりとしたものにし、女の悲しさも露わになってくる。


あちらとこちらの境目は。

引きずり込まれているのか、自ら踏み込んでいるのか。


失踪したと思っていた夫。

京は現実から目を逸らしていただけなのか。

知っていたようで知らなかった夫。

女が笑いながら突きつけてくる夫の姿。


悲しい女と悲しい女の会話が、はぐらかしながらも突然核心を突いてくる。

言葉遊びの美しさ。

女との会話が良いスパイスで、どんどん引き寄せられる。


深く深く落ちていくような独特の世界は美しく、作られた世界にすっかり浸ってしまいました。

いいなぁ、川上弘美。

秋の夜長にぴったりの一冊です。


私が図書館で借りた表紙は赤と青のリンゴの美しい絵

現在はもう作っていないのかな。

アマゾンには↓この表紙しかなくて。

何だか私にはしっくりきません。


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17:47 川上 弘美 | コメント(2) | トラックバック(1)

蛇を踏む / 川上 弘美

2010/10/29
4163165509蛇を踏む
川上 弘美
文藝春秋 1996-08

by G-Tools

藪で、蛇を踏んだ。

「踏まれたので仕方ありません」と声がして、蛇は女になった。

「あなたのお母さんよ」と、部屋で料理を作って待っていた…。

若い女性の自立と孤独を描いた芥川賞受賞作「蛇を踏む」。

“消える家族”と“縮む家族”の縁組を通して、現代の家庭を寓意的に描く「消える」。

ほか「惜夜記」を収録。

第115回(96年上半期)芥川賞受賞(「BOOK」データベースより)



このあらすじの最初、なんとも可笑しくて。

「踏まれたので仕方ありません」といった蛇は、「あなたのお母さんよ」と料理を作っている。

この唐突さに、私はすっかりはまってしまった。

川上弘美は自分が作る話を、「うそばなし」と呼んでいる。

子どもの頃から、こんな話の中で遊ぶのが大好きなんだそう。


頭の中の空想を、変な形に伸ばしてみて、表してみて、さて。

心のどこかで求めているものが生み出す化身。

それに飲み込まれそうになりながらも、抗いつつ自分を探す。


芥川賞なので「純文学」と思って割り切って読まないと、頭が・・・となります。

確かに不可解。

でも、とても心地よい。

好き嫌いははっきり分かれるでしょうし、お勧めはできません。

「蛇を踏む」の5年後に発表された「センセイの鞄」のほうが断然読みやすいです。

全くタイプが違って見えますが、主人公が発する空気は似ています。


この作品を理解できます、なんてとても言えないのですが、奥に潜むものを探りたいと思わせる魅力があります。

どこもかしこも、なんだか可笑しい 嘘っぱちのお伽噺

川上弘美が語るように、この「うそ」の中でちょっと遊んでみてください。


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10:29 川上 弘美 | コメント(2) | トラックバック(0)
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