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すべて真夜中の恋人たち / 川上 未映子

2012/10/28
4062172860すべて真夜中の恋人たち
川上 未映子
講談社 2011-10-13

by G-Tools

孤独な魂がふれあったとき、切なさが生まれた。

その哀しみはやがて、かけがえのない光となる。

芥川賞作家が描く、人生にちりばめられた、儚いけれどそれだけがあれば生きていける光。

『ヘヴン』の衝撃から二年。

恋愛の究極を投げかける、著者渾身の長編小説。内容(「BOOK」データベースより)



音を発しない静かな雰囲気から、川上弘美と川上未映子が一瞬ごっちゃになってしまう私。

しかし読み始めてすぐ思い出した。

この始まり、この言葉使い、川上弘美とは全く違う。

強烈な作品、「乳と卵」、「ヘブン」を書いた人だ。

「乳と卵」の女の関西弁と熱気が重く感じられ、苦戦した記憶がある。

「ヘブン」はイジメがキツい物語ですが、コジマのことが忘れられない。

久々の川上未映子はどうだろうと、長編なので楽しみです。


それはすぐに画用紙ほどのおおきさになり、やがて手のひらにのるくらいの小ささになり、待って、と思ったときにはもう、それがなんであったのかもわからないぐらいの切れはしになってしまっていて、やがてどんなに目を凝らしてみてもどこにもみえなくなるのだった。


一目見て分かるように、とにかく平仮名が多い。

意識的に一つ一つの音を平たんにしているのだろうか。

胸の内を表すとき、平仮名にするとたどたどしい印象を与えるので、主人公の性格にはとてもしっくる。

しかし、仕事の出来る担当者や男子高校生まで全編通して平仮名だと、読みにくさが勝ってしまう。


フリーランスで校閲の仕事をする冬子。

付き合いのあるのは、出版社の担当者ただ一人。

自分から発することも選ぶこともしない、ぼんやりとした女。

誰かを言葉で傷つけることなんて勿論ない。

なのに、冬子がいつも周りから言われてしまう言葉がある。


「あなたをみてるといらいらする」


苦労も含め自分で何かを選んで生きてきた人には、冬子はいらいらする者にしか見えない。

何も選ばずに、傷つかないように、逃げてきた人と映るから。

だからこそ、冬子の口から欲しいものがこぼれ落ちた時は感動してしまった。

私までも嬉しかった。

お腹からせり上がってくるように、初めて好きなものを求めたのだから。


全体的に穏やかで、私、私の物語。

静かな物語であるが、定期的に川上未映子がサディスティックになる。

そんな時「ヘブン」の人だよなぁ。と再び思い出す。

主人公を容赦なく打ちのめすとき、川上未映子はきらりと光る



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12:00 川上 未映子 | コメント(0) | トラックバック(0)

ヘヴン / 川上 未映子

2010/11/24
4062157721ヘヴン
川上 未映子
講談社 2009-09-02

by G-Tools


「苛められ暴力を受け、なぜ僕はそれに従うことしかできないのか」

頬を濡らすあてのない涙。

14歳の苛めを正面から描き、生の意味を問う、哀しくも美しい物語。(内容紹介)




日頃から図書館にたくさんの本を予約し、届いた順に読んでいるのですが、たまたま、いじめをテーマにした本が続いてしまいました。

カラフル < 十字架 < ヘヴン

この順序は内容の濃さ、筆の力、残酷さ、リアルさ。

すべてにおいて「ヘヴン」が一枚上だと思いました。


きつかった

残酷さにおいての表現は作者の意図するところで、だからと言って、さらりと読める内容ではない。

涙と感動という本の宣伝文句には共感を得ませんが、心を荒くえぐられる本です。


いじめを受け続ける「僕」

いじめを受けつつも、信じるものを貫き通す強靭さも持つ「コジマ」

加害者で、いじめに善、悪の価値なんてない、これもすべて自由なんだと言い切る「百瀬」

三人の心の描写、書き分けが素晴らしい。

互いの心が交差し、影響を与えながらも、永遠に交わることのない距離。


百瀬の自分勝手な言い分に辟易しながらも、あながち間違っていない部分もあり、苛められている僕でさえ、百瀬が正しいのではないかと悩んでしまう。

そして汚い臭いと罵られるコジマの、人としての気位の高さが美しく、そのコントラストが見事です。


あいまいな感動物語より、よっぽど強烈で胸に響くラスト。

自分の尊厳を踏みにじられる恐ろしさは、人格をも損失させてしまう。

理屈ではなく、人の尊厳を踏みにじっちゃあいかんのよ

絶対に。


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17:00 川上 未映子 | コメント(4) | トラックバック(1)
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