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台所太平記 / 谷崎 潤一郎

2015/08/22
台所太平記 (中公文庫)台所太平記 (中公文庫)
(1974/04/10)
谷崎 潤一郎

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お料理上手や姉御肌、器量よしやらハイカラ趣味、鉄火な娘に男ぎらい…

若さ溢れる女性たちが、かわるがわる惹き起こす騒動で千倉家のお台所はいつもてんやわんや。

愛情とユーモアに満ちた筆で描く笑いの止まらない女中さん列伝。



あらすじを読み返し、素晴らしく上手にこの小説を表していると思いました。

とにかくどの女中さんも個性が強い。

こんな人今の世の中いるのだろうか…という人しか出てこない^^


興奮してはひきつけを起こし、奇声を上げ、男を全く知らなくて、はたまたマリリンモンロー並みの肉体を持つ…

個性的で、あっけらかんとして、清潔で、嬉々として。

若い女性たちの職場を見る著者の目が深く深く温かい。


実際問題、他の家庭に女中として入り、すぐに手を付けられてしまうような不幸なことが多い時代。

きちんと彼女たちと一線を引き、成長を見守り、嫁ぎ先を捜し、その後の幸福を祈る。

彼女たちの本質を知り、自由な振る舞いを面白おかしく眺めていられる。

素敵な世界でした。

人が人を呼び、女中さんが絶えることなく繋がっていく、時代背景が良く掴める楽しいお話です。



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12:55 谷崎 潤一郎 | コメント(8) | トラックバック(0)

猫と庄造と二人のおんな / 谷崎 潤一郎

2014/11/18
猫と庄造と二人のおんな猫と庄造と二人のおんな
(2013/08/09)
谷崎潤一郎

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一匹の猫を中心に、猫を溺愛している愚昧な男、猫に嫉妬し、追い出そうとする女、男への未練から猫を引取って男の心をつなぎとめようとする女の、三者三様の痴態を描く。

人間の心に宿る“隷属”への希求を反時代的なヴィジョンとして語り続けた著者が、この作品では、その“隷属”が拒否され、人間が猫のために破滅してゆく姿をのびのびと捉え、ほとんど諷刺画に仕立て上げている。

内容紹介より



いやぁ、楽しいです。

以前に痴人の愛を読み、主人公の男が若い妻の身体に溺れ、「お馬さんごっこ」の下となり、喜び悶えるさまが強烈に印象に残っていた。

その流れを感じながら読むと、なおパンチが効いてくるように思います。


主人公の男:庄造を、タイトル通り二人の女が取り合う物語。

夫への焼きもちから猫を追い出したい妻。

猫を手なずけ元夫を取り戻そうとする前妻。

賢い女たちに辟易し、獣であるがゆえの高貴さを持つ猫に、心を奪い取られていく庄造。


猫に嫉妬する妻というのも変なようだが、この状況、私も嫌だ。

妻が嫌いな料理だと知っていて、小鯵の二杯酢を食べたいと言う庄造。

嫌々ながら作った小鯵を、ほとんど皆、猫にやってしまうのだから。

自分の口に小鯵入れ、魚に滲みた酢をスッパスッパ吸い取ってやり、骨を噛み砕き、口移しに猫にあげる。

酒を飲みながら、もったいつけて、じらして、じらして。

同じことを延々と繰り返す満足げな夫の顔を見ていると、気持ち悪さと同時に、焼きもちの一つでも焼きたくなるだろう。


「痴人の愛」では、女に跪き、愛に溺れ、支配されることの喜びが描かれていたが、この作品はもっともっと強い。

溺れる相手は猫で、溺れる喜びを失う滑稽さが見事。

内容紹介で風刺画的と書かれてあり、なるほどと思いました。


情けない庄造の姿は谷崎氏本人のように思えるし、隷属すること以外に生きがいはないとの表現には、私も完全に負けてしまった。

これはもう、周りがああだこうだと言うことではなく、

書き始めからラストまで、この世界観に飲まれるのみです。



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17:03 谷崎 潤一郎 | コメント(2) | トラックバック(0)

痴人の愛 / 谷崎 潤一郎

2011/08/01
410100501X痴人の愛 (新潮文庫)
谷崎 潤一郎
新潮社 1947-11-12

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生真面目なサラリーマンの河合譲治は、カフェでみそめて育てあげた美少女ナオミを妻にした。

河合が独占していたナオミの周辺に、いつしか不良学生たちが群がる。

成熟するにつれて妖艶さを増すナオミの肉体に河合は悩まされ、ついには愛欲地獄の底へと落ちていく。

性の倫理も恥じらいもない大胆な小悪魔が、生きるために身につけた超ショッキングなエロチシズムの世界。

大正末期の性的に解放された風潮を背景に描く傑作。



ナオミを仕立てているつもりが、次第にその美しさに誘惑される譲治。

あべこべに引きずられるようになり、主導権をナオミに奪われ、次第に抗うことさえできなくなる。


ナオミに共感する女性はいるだろうか。

譲治に共感する男性はいるだろうか。

女性を一から育てたい願望は、男性ならきっとあるような…

それでも表面的に共感しますとは、とてもじゃないが言い難い強烈なストーリー。


己の美しさと身体だけを武器とした、ナオミの性根の醜さったら。

西洋人のような白い肌を持ちながら、心は鈍くくすんでいる。

料理どころか掃除も洗濯もしない。

薄汚れた長襦袢の襟から、彼女自身の不潔さが漂う。


二人が繰り返し遊んだ「お馬さんごっこ」。

遊びに投影された二人の上下関係。

下に敷かれることに喜びさえ感じてしまう。

変わりゆく二人の関係の描写が見事


ナオミちゃん、ナオミちゃんと繰り返す譲治に、気持ち悪さを感じてしまう私。

譲治のマゾぶりはかなりで、とても共感は出来ないが、何とも読み応えのある作品。

こうして読まれてとやかく言われていることすら、譲治は楽しんでいるのではないかしら。

そう思わせる奥深さ。

大好きです。


大正時代って自由だわ。

現代人、何と小さく生きていることか。


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18:53 谷崎 潤一郎 | コメント(0) | トラックバック(0)
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