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ZOO / 乙一

2011/11/29
4087745341ZOO
乙一
集英社 2003-06-26

by G-Tools

いま最も注目される若手ナンバーワン、乙一の魅力爆発の短編集。

毎日届く恋人の腐乱死体の写真。

彼女を殺したのは誰か?

「犯人探し」に奔走する男を描く表題作他、書き下ろし新作を含む10編収録。 内容(「BOOK」データベースより)



乙一作品は、残酷さや凄惨さを基調としたものと、切なさや繊細さを基調としたものの、2つの傾向が存在していると言われます。

「ZOO」の評価の高さは聞いていても、このあらすじを見て尻込みをしていました。

どうしてもホラーが苦手なもので。


今回意を決して読んでみたら、想像以上の良さだった。

何で今まで読んでこなかったんだろうと後悔するほど。

とても繊細で、清潔で、細やかな造り。

なのに安心して読んでいると、急に階段を踏み外してしまう


短編集ですが、それぞれの持つ色が全く異なり、その器用さに感心しきりです。

救いようのない虐待から始まる『カザリとヨーコ』は、ラストに拍手喝采。

残虐性の最たるものである『SEVEN ROOMS』に一番感動したのは、きっと私だけではないはず。

ミスタードーナツで読んでいたら、もう泣けて泣けて困りました。


暴力と優しさは、まるで振り子のよう。

残虐性が目一杯振れていると、真逆にある優しさが、反対側に目一杯振り切れる。

作品の中で哀しさや優しさが際立つのは、残虐性を対極に感じさせるからでしょうか。

乙一の表現方法、とても好きです。



おまけの話

もしかしたら誰もがご存じの事かもしれませんが。

乙一って「中田永一」なんですね。

私、だいぶ遅くなって知りました。

共著「I LOVE YOU」で有名になった「百瀬、こっちを向いて。」の中田永一。

そうか、そうか。

うん、驚きましたが、今回読んでみてものすごく納得。


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16:34 乙一 | コメント(4) | トラックバック(0)

サクサク美味しい 東京でエコルセを探せ!

2011/11/26
大阪から東京に引っ越して8か月。

品揃えに少々の違いはあっても、買い物に不便を感じることはない。

泉州の水ナスのお漬物ですら買えてしまう便利な街です。

だけどね。

私の癒しおやつ、エコルセがないのです。

エコルセとは神戸の本高砂堂のお菓子で、薄い生地を何層にも重ねたサクサクのお菓子。

素朴で甘さ控えめで、昔から大好きなのです。

033040.jpg 0330401.jpg

ちょっと良いスーパーには、サービスコーナーの横に贈答用のお菓子が売っている。

大阪のスーパーでは、このエコルセや、神戸風月堂のゴーフルや、モロゾフのチョコレートが並ぶ。

そこで家庭用に売っている、小さな500円の小箱が、私のご褒美おやつだったのに。


東京にはこれがない。

当たり前か…。

こちらで多いのは、文明堂のカステラ、Mary’sのチョコレート、銀座コージーコーナー。

全部好きなんだけどさ。

結構買っているが、たまにね、無性にエコルセが食べなくなる。

それほど大層なものではないが、当たり前のように食べていた味に里心がつきます。

ネットでわざわざ買うほどでもないしなぁ。


先日百貨店での事、何の気なしに眺めていたお菓子売り場で、エコルセを発見!

そうか、百貨店に入ってたんだ。

嬉しいな、ちょっと多めに買って帰ろう。


しかしこの時間、どうも閉店間際だったようで。

店員さん達は、そこに現れた家族連れが、本日最後の客だと思ったのだろう。

チャンス!とばかりに、残っていた試食品を、せっせと勧めてくれる。


「どうぞ、どうぞ召し上がってください」

こちらは味は十分わかっているが、久しぶりだし嬉しく頂いた。

このグリーンの三角のが一番好きなんですよ。


「今度はチョコレートの入ってるのもどうぞ」

あ、ありがとうございます。


「お次に、この四角いのも美味しいですよ」

そんなー、大丈夫ですよ。


「いえいえ、せっかくだから」

何がせっかくなのかは不明だが、ご厚意を無にしてもと頂いた。


「これが新発売の味なのよ」

もう十分ですし、買いますから買いますから。


しかし、店員さんは頑なに売ってくれない

「では、こちらの味だけでも」


………パリ、パリ、パリッ。

こうして、家族全員がそれぞれ、4つも、5つも頂いた。

試食品と言っても、小さく切ったものではなく、ちゃんと一枚もの。

お腹いっぱいになっちゃったね。


やっと家庭用に購入して、お礼を言って帰ろうとしたら。

「残っているのも食べてって」

と、笑顔でタッパーを私たちに向けて差し出した。

ついに、残ってるって言っちゃいましたね。


さすがに可笑しくなって、もう食べれないのと言ったら。

残っているのを全部、紙ナプキンに包んで持たせてくれた。

私たちは、お婆ちゃん家に遊びに行った帰りの子どものように、

紙に包まれるお菓子を、黙って眺めているしかなかった。


ほどなくして閉館の音楽が鳴り、店員さんが両脇にずらりと並び、出口でお見送りをしている。

その中を、紙ナプキンに包まれた、ぽろぽろこぼれるお菓子を抱えながら、感じ良い笑顔で通る私。

この上なくダサい。


いつも思うんだけど。

きまらない人間って、どこに居ても、何を着ても、きまらない。

その典型が私だと思う


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16:12  | コメント(10) | トラックバック(0)

そうはいかない / 佐野 洋子

2011/11/24
4093862931そうはいかない
佐野 洋子
小学館 2010-12-01

by G-Tools


この本は、見事な「変愛小説集」だ。

といってもフィクションとエッセーの間を行ったり来たりする不思議な作品ぞろい。

これを物語エッセーと名づけることにしよう。

母と息子、母親と私、見栄っぱりの女友だち、離婚した美女、イタリアの女たらし、ニューヨークの日本人夫婦…

自らの周りにいる愛すべき変人奇人たちを、独特の文体で活写した傑作33篇。

イラストレーションも多数収録。 内容(「BOOK」データベースより)



細かな待ち時間が多いとき、こんな短編集を持っていると楽しい。

役所手続きのお供に、如何でしょうか?


真面目に生きている人は、真面目だからこそ変である。

その変さを、私はとても愛おしいと思う。

当の私も、誰かから見ればとても変らしいが、本人は全く気が付かず、自分をつまらない人間だと思っている。


佐野洋子は、その辺にいる普通の変人を書く天才ではないだろうか。

エッセーと思ってくすくす読んでいると、驚くほど切れ味のいい短編が差し込まれる。

かと思うと、ぐずぐずのエッセーに戻ったり。(すいません…)

単純に、この空間が楽しい。


挿画もこれまたすごい。

自分で書いて、描いて、それが出来る人の強みです。

言葉の流れが美しい人なので、オチが分かっていても再読できる稀有なエッセー。


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18:26 佐野 洋子 | コメント(2) | トラックバック(0)

楡家の人々 / 北 杜夫

2011/11/22
B000JAGRBC楡家の人びと (1964年)
北 杜夫
新潮社 1964

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大正初め、東京青山に西洋の御殿のような精神病院「帝国脳病院」が聳えていた。

そこを舞台に、院長の楡基一郎、その妻ひさ、勝気な長女龍子、学究肌の夫徹吉、などの一家とそれを取り巻く人々が織りなす人間模様。

初め、虚栄に満ちた華やかな生活を送る楡家の一族であったが、震災直後病院が焼失、ほどなく基一郎が急死。

昭和の動乱期に入ると、楡家は、ゆるやかだが確実に没落の一途をたどっていく……。ウィキペディアより



「作家の訃報を聞いて慌てて読む人っているよね」、そのものでございます。

祖父は、東京青山に精神病院を創設し、政治家でもある斎藤紀一。

父は、アララギ派の歌人で、精神科医の斎藤茂吉。

精神科医一族でありながら躁鬱病を発症した北杜夫さんが、自らの家族を三代にわたり描いた長編小説です。


見た目ばかりきらびやかな、張りぼての病院。

ブルジョア階級特有の鼻持ちならない女たち。

お金も権力も使いこなせていない、どことなく頼りない男たち。

皆傲慢で、貪欲で、一見して魅力的な登場人物は少ないかも知れない。

なのに不思議。

横柄な中にも、生真面目な滑稽さが見事に差し込まれ、誰も憎めない。

まるで風刺画のようにユーモラス


病院存続の為だけに親が決めた進学、結婚。

満たされていても自由ではない彼らが、その中で足掻き見つけていく生き方は。

空襲で病院は焼かれ、没落していくも、決して楡家の人間である誇りを失わない

どんなに落ちぶれても、形がなくなっても。


そこが哀しくもあり、少し滑稽でもあり。

ラストにかけての時間は特に良かった。

後になってじんわりと心に残る、本棚に置いておきたい良本です


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16:55 北 杜夫 | コメント(5) | トラックバック(0)

スパイスの効いていないインド人  インド料理ジャンバーラ

2011/11/18
私には15年通い続ける、お気に入りのインド料理屋がある。

大阪の箕面にある「バンジャーラ」という店で、店員さんはほとんどインド人。

落ち着いたインテリアと、ほの暗い照明。

本格的インド料理は、抜群に美味しい。


もう一つここが好きな理由は、店員さんがゆるいことである。

サービスはとても良く、店員さんはにこやかで人柄も良い。

日本語もそこそこ上手。

しかし、色んなことが大雑把


野菜の切り方は、日によってちょいちょい変わる。

テーブルのキャンドルは、食事中に蝋が足りなくなることしばしば。

付け合せのソースも、出たり出なかったり。

高い位置からお水を優雅に注いでくれるが、全部こぼれていたりする


私たちはそんな時間を、毎回楽しんでいる。

もちろんすぐに修正してくれるので、不自由だと思うなら言えばよい。

それだけです。

そんなに粗いのに、毎回なんだかんだ話しに来ては、サービスにアイスをくれる。

上品な店だけど、時間はゆっくり流れている。


さて、久々に「バンジャーラ」に行ったら、看板が「ジャンバーラ」になっていた。

えっ、何これ。

見間違えたかと思ったが、近くで見てみると、看板を強引に消して、書き直した跡がある。

看板の修正の仕方、雑っ!

オーナーが変わったのかな。

恐る恐る店に入ってみると、いつものインド人の店員さんがお出迎え。


「名前変わっててびっくりしましたよ。どうしたの?」

「マエハ オニイサン。コンドハボク、オトウトネ。ダカラ ナマエカエタ」


「オトウト…あなたは弟なのか?」

いわゆる人事異動らしい。

ごめん。

日本人の私には、15年会っていた兄と、その弟の顔の区別がつかなかった。

それにしても…この微妙な店名変更は何だ??


彼は、以前大阪の豊中市にあった店で、働いてたと言う。

「昔、豊中店ありましたね。わたしも10年以上前行ってましたよ」

と言ったら。

「オボエテルヨー。マエ コドモ コンナニチッチャイネ。オボエテルヨー」と言った。

そんな馬鹿な。

私が兄弟の区別がつかなかったように、10年前の客の顔なんて、絶対に覚えてないと思う。

まあいいか。

このゆるい応対、兄も弟も性格は似ているらしい。


私は適当に「懐かしいねー」と言い。

彼はテキトーに「オボエテルヨー」と言った。

これでいいのだ。

私はここが大好きです。



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15:25 気になる人 | コメント(2) | トラックバック(0)
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