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ペンギン・ハイウェイ / 森見 登美彦

2012/02/28
4048740636ペンギン・ハイウェイ
森見 登美彦
角川書店(角川グループパブリッシング) 2010-05-29

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小学四年生のぼくが住む郊外の町に突然ペンギンたちが現れた。

この事件に歯科医院のお姉さんの不思議な力が関わっていることを知ったぼくは、その謎を研究することにした。

未知と出会うことの驚きに満ちた長編小説。

第31回(2010年) 日本SF大賞受賞  内容紹介より



森見登美彦作品はほとんど読んでいるが、今までと違った新たな一面を発見できるSFファンタジーです。

新興住宅地に突如現れたペンギンたち。

研究のために連れ出そうとすると、跡形もなく消えてしまうが、

車にボウンとぶつかって、ころころ転がっても大丈夫なほど、頑丈だったりする。

そんな謎のペンギンを研究する少年と、歯科医院のお姉さんとの不思議な物語。


今までの作品同様、淡白で掴みどころのない可愛い女性像は健在。

決定的に違うのは主人公。

頭が良いがヘタレな大学生や、女の色香に惑わされる狸はいない。

代わりに出てくるのは、研究熱心でお姉さんのおっぱいが大好きな小学4年生の少年。

大人になる日の為にコーヒーを練習する少年は、憎らしく可愛い。


森見作品はもともと非現実的で、少し浮き上がった場所に成立している世界

非現実的な設定を、我欲にまみれた学生や狸が、唯一読み手と繋ぐ役割を果たしていた。

夢見る少女ではない私は、彼らの力を借りて「森美ワールド」に入っていたようなもの。


今回はその役目がない分、SFファンタジー色が強い。

滑稽さや、バカバカしさはなく、児童文学的な優しさを持った透明度。

「おっぱい」から「死後の世界」まで語り合う少年たちの言葉は、大人も子供もほっこりしてしまう。

可愛くて、悲しくて、美しい


この作品に関しては、アニメーションの方が明確に、作者の想いは伝わるんじゃないだろうか。

不可解だけど遊び心のある現象の数々。

説明抜きで眼で見てしまった方が、会話の巧みさがより浮き出る気がします。

装丁も素敵で、最初と最後に少しだけ描かれたペンギンがお洒落。

普段のようににやにやとは笑えませんが、こんな作品もいいなと思える一冊。



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17:01 森見 登美彦 | コメント(2) | トラックバック(0)

太陽の塔 / 森見 登美彦

2012/02/26
410464501X太陽の塔
森見 登美彦
新潮社 2003-12-19

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すべての失恋男たちに捧ぐ、爆笑妄想青春巨篇in京都。

私の大学生活には華がない。

特に女性とは絶望的に縁がない。

三回生の時、水尾さんという恋人ができた。

毎日が愉快だった。

しかし水尾さんはあろうことか、この私を振ったのであった!

クリスマスの嵐が吹き荒れる京の都、巨大な妄想力の他に何も持たぬ男が無闇に疾走する。

失恋を経験したすべての男たちとこれから失恋する予定の人に捧ぐ、日本ファンタジーノベル大賞受賞作。



森見登美彦のデビュー作です。

濃い

妄想度合も、もてない男臭も、ばかばかしさも、何もかもが濃い。

この本からは、森見登美彦の原点はここなんだと伝える強烈さがあります。


妄想は何処までも止まらず、行きつく先もばかばかしく、語りは独特。

視点は冴え、ユーモアに溢れていて、でも絶対付き合いたくない男。

さすが、もてない男を書かせたら抜群。

初っ端から、京大生のイケてなさが上手く混ぜ込まれている。

高校時代の友人が「京都の女子大生は京大生が奪って行く」と言ったとき、私は愕然としたほどだ。
いくら目を皿のようにして周囲を見回しても、私の身辺には他大学の女子学生を略奪してくるような豪の者は一人もおらず、私も含めてどいつもこいつも、奪われる心配もない純潔を後生大事に守り通しているように見えた。


「夜は短し歩けよ乙女」や「有頂天家族」の方が、万人受けする読みやすさ。

そこと比較すると、「太陽の塔」はセンスも勢いもワンランク落ちる。

そもそも。

もてない男のにっちもさっちもいかない生活が主題なんだから、

キレが悪くてもどかしいのが丁度良いのか。


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16:15 森見 登美彦 | コメント(4) | トラックバック(0)

イトーヨーカドー 悲しすぎるハッピーデー 

2012/02/24
イトーヨーカドーのハッピーデーをご存知でしょうか?

毎月の付く日に行われるセールの事で、カードを持っていれば、食料品、日用品、衣料品がすべて5%オフ。

その上、自宅への当日配送も、たった80円で引き受けてくれるのです。

ありがたい、ありがたい。

サービスに甘えて、飲料水やお米などの重いものは、この日に買って自宅まで送ってもらっている。


先日、夫相手にたわいもない話をしていた。

「昨日ね。ハッピーデーって分かってたんだけど、忙しくてヨーカドー行けなかったんだ」

「ああ、昨日ハッピーデーだったんだ」


「うん、8の付く日だって頭にはあったんだけど、どうも忙しくって」

「そっかぁ…」


「日にちはちゃんと覚えてたんだけどなぁ」

「……………」


ん?

なんだどうした、この沈黙は。

すると夫が、とても優しい口調で、静かに言った。


「ちなみに昨日は、私の誕生日でもありました」



「ひえぇぇぇぇーーーーー!!」

ご、ご、ごめん。

忘れてた。

いやいや違う。

日にちが頭にあったのに、夫の誕生日だと気づかなかったんだ。

忘れてたよりも重罪だ。


昨年のクリスマス。

夫は私にクリスマスカードを用意してくれていた。

前夜に用意された美しいカードは、クリスマスツリーのてっぺんに飾ってあった、、、らしい。


しかし私は、カードの存在に気付かなかった。

24、25、26日…日を重ねても、全く気付かない。

息子がそっと教えてくれなければ、カードごとツリーを押入れに入れたはず。

ひどい妻に、夫はどこまでも寛大だ。

「いいよいいよ。来年ツリー出す時には気付くだろうって思ってたから」

・・・・・・・・・・


頭のてっぺんから足の先まで、申し訳なさで埋め尽くされた私。

その時とても反省し、こう思ったはずだ。

「夫の誕生日には、気合を入れて驚かせるぞ!」と。


そして、誕生日。

私はめちゃめちゃ驚いた。



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19:16  | コメント(6) | トラックバック(0)

疑心 隠蔽捜査3 / 今野 敏

2012/02/22
4103002530疑心―隠蔽捜査〈3〉
今野 敏
新潮社 2009-03

by G-Tools


息子の不祥事で大森署署長に左遷されたキャリアの竜崎伸也。

異例の任命で、米大統領訪日の方面警備本部長になった彼のもとに飛び込んできたのは、大統領機の到着する羽田空港でのテロ情報だった。

警視庁から派遣されてきた美貌の女性キャリア、空港封鎖を主張するシークレットサービス……。

虚々実々の警備本部で、竜崎の心は揺れる。(内容紹介より)



シリーズ第3弾。

一般的には、これまでの流れに変化を求められる頃合いではあるが。

まさか、まさか。

あの唐変木の竜崎が、部下に恋をする。

うっそぉーーーん( ̄□ ̄;)!!


思いもよらない変化球。

人の気持ちはさておき、効率の良さを最優先にしてきた竜崎が、今回はもの凄いかっちょ悪い…。

-理性があるから人間は、他の動物と区別される-

そう言い続けてきたのに。

自分の心を処理出来ない竜崎を、おいおいと突っ込みながら読むしかない。

おっさんの初恋は、それほど不器用なのだ。


もちろん後半は竜崎のかっこ良さが戻るので大丈夫。

ポンポンとテンポが上がり、部下も伊丹も冴子もとてもいい味を出している。


警察ものはどうしても登場人物が多くなる。

なのに、誰が話しているかを見失うことは決してない。

明確な人物像に、個性的な話し方。

人物の書き分けが徹底的になされていて、読んでいてとても気持ちが良い。

今野敏はこの辺りもとても上手だなと感心します。


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17:47 今野 敏 | コメント(2) | トラックバック(1)

傍聞き / 長岡 弘樹

2012/02/20
4575236365傍聞き
長岡 弘樹
双葉社 2008-10

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娘の不可解な行動に悩む女性刑事が、我が子の意図に心動かされる「傍聞き」。

元受刑者の揺れる気持ちが切ない「迷い箱」。

女性の自宅を鎮火中に、消防士のとった行為が意想外な「899」。

患者の搬送を避ける救急隊員の事情が胸に迫る「迷走」。

巧妙な伏線と人間ドラマを見事に融合させた4編。 内容紹介より



「傍聞き」が日本推理作家協会賞の「短編部門」を受賞したのが2008年。

この年の「長編及び連作短編集部門」を受賞したのは、今野敏の『果断 隠蔽捜査2』。

そんな繋がりで興味を持っての、初長岡弘樹です。


「育ちの良さそうな綺麗な推理小説」というのが第一印象。

会話の中でさりげなく張られていく伏線を、しっかりと辿ってくれるが、狙いは突飛ではない。

巧妙なトリックや手に汗握るラストとは無縁。

心理面でのなるほどのラスト。

どこか切なくて、どこかにぬくもりを感じる

推理小説でこういうタイプは珍しい。

重松清が好きな人には、-あれほどハートウォーミングではないにしても-好みに合うのではないでしょうか。


短編ですから設定はそれぞれですが、職業は警察、消防士、救急隊員など身近に感じるものばかり。

近しく感じる世界だからこそ、その仕事ぶりが非現実的に映ってしまうのが残念なところ。

短編集なので推理もコンパクトに感じますが、長編になったらまた違った印象を受けるかな。


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12:51 長岡 弘樹 | コメント(4) | トラックバック(0)
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