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クラウドクラスターを愛する方法 / 窪 美澄

2013/10/29
クラウドクラスターを愛する方法クラウドクラスターを愛する方法
(2012/10/19)
窪 美澄

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「輝くような人生の流れに乗るためのボートは、どこにあるんだろう」。

誕生日を間近に控えた大晦日の朝、3年間一緒に暮らした彼が出て行った。

その原因は……

デビュー作で山本周五郎賞を受賞した実力派作家が「家族」を描く、待望の第3作。

表題作書き下ろし。



「ふがいない僕は空を見た」「晴天の迷いクジラ」、今までの作品ほど強烈なインパクトはない。

自分を模索する主人公は圧倒的に不幸ではなく、ものすごくリアルな少し足りない私。

少し足りない姿は、今の社会のどこにでも可能性がある足りなさで。

だからこそ、強い波が立たない静かな雰囲気が似合う。


イラストレーターとして生活ができず、バイトと両立するとしても生活はカツカツで。

結婚するなら生きていけるかもしれないが、未完成の私が妻や母のパーツに収まることが出来るとは思えない。

自分が自分として成立していないのに、子どもを育てていくなんて。

お姑さんを介護するなんて。


周りの人の人生は皆輝いているように見えて、そうなる術を知りたいと思う。

だが、ぐるぐる回るとやはり、自分を置いて出て行った母に立ち戻る。

作りたいのは家族だったのか、帰る場所だったのか。


タイトルがいいな。

家族の形を模索した素敵な作品。

一緒に収められている「キャッチアンドリリース」もまた印象的でした。



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17:21 窪 美澄 | コメント(0) | トラックバック(0)

光圀伝 / 沖方 丁

2013/10/25
光圀伝光圀伝
(2012/09/01)
冲方 丁

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なぜ「あの男」を自らの手で殺めることになったのか―。

老齢の光圀は、水戸・西山荘の書斎で、誰にも語ることのなかったその経緯を書き綴ることを決意する。

父・頼房に想像を絶する「試練」を与えられた幼少期。

血気盛んな“傾奇者”として暴れ回る中で、宮本武蔵と邂逅する青年期。

やがて学問、詩歌の魅力に取り憑かれ、水戸藩主となった若き“虎”は「大日本史」編纂という空前絶後の大事業に乗り出す―。

生き切る、とはこういうことだ。

誰も見たこともない「水戸黄門」伝、開幕。



読むのは遅い方ではないのですが、久々に丸々一週間かかってしまった。

歴史物は苦手なので、咀嚼するのに時間がかかります。

もちろん脚色部分が多いのですが、水戸家の視点からみる徳川全体像はとても新鮮。

家光~綱吉までの比較的目立たない時代に触れ、改めて歴史物の楽しさを感じました。


冒頭で水戸黄門は家老の男を自らの手で殺害。

悲しみを堪えての姿から、この家老が憎くてではないことが分かる。

相手を苦しませない見事な殺害方法は、宮本武蔵から学んだと。

すんなりと入り込みにくい時代物で、この始まりは面白い。

最初の数ページで物語に引き込まれました。


本来長男が引き継ぐべき水戸家。

次男である自分が継ぐことになったことに不義を感じ苦しみ続ける。

不義を正し、義にする為、何が出来るか。

正直で真っ直ぐな人柄を前面に出し、何年もかけて義を追い求める。

支える家臣や妻の描写が良く、内容としては堅いながらも、物語はとても面白いものでした。


物語の中で、さらりと「天地明察」が絡んできた。

ほんのちょこっと。

絡む分量もちょうどいい。



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10:40 沖方 丁 | コメント(4) | トラックバック(0)

たとえ足の指であっても

2013/10/21
サンダル履きで庭仕事をしているとき、足の小指を思いっきり縁石にぶつけました。

言葉も出ないほどの痛み。

あっという間に足の色が変わってきた。

幸い骨折はしていなかったが、最初は赤くなり、翌日には足全体が黒ずみ、赤紫になってしまった。


せっかくなのでブログネタにしようと思って、写真を撮った。

しかし、グロい。

足の爪は割れ、ペティキュアははがれ、傷口はまだ開いたまま。

血は半分ぐらい固まり、あちこちの皮が剥けている。

とてもじゃないが、お見せできるようなものではない。


私は今まで、ブログで顔出しをしていない。

雰囲気が分かるものすらないはず。

だけど、こんな写真だけアップしたら、足がどす黒い汚い女だと思われないだろうか。

それも嫌だなぁ。



よし、もう少し、綺麗な写真を撮ろう。

まず、割れた爪は隠すでしょ。

それに、皮が剥けて血がにじんだ指先も映らないようにしよう。

血色が悪いなぁ。

もう少し色が良くなってからにしようかな。

本来の目的からかけ離れたところで、私は少しでも綺麗に映るように、何度も写真を取り直した。


130712_2018+01_convert_20130803225354.jpg


THE:中途半端


当然のことながら、傷口を隠しているので、全く痛さが伝わらない。

ブログネタとしては最低だ。


たかが私の足の指。

姿形がどうなっていようが、どなたも興味がないのは十分わかっている。

分かっているが、ちょっとでも、ほんのちょっとでも、見栄えが良くなりたい欲が捨てられなかった。

女の悲しい性。


私は愚かな人間です



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19:16  | コメント(8) | トラックバック(0)

三月の招待状 / 角田 光代

2013/10/17
三月の招待状三月の招待状
(2008/09/04)
角田 光代

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新たな門出を祝う34歳の離婚式。

何を終わらせ、何を変えるのか―。

男女5人の友情と恋愛を描いた長編小説。



34歳。

誰もが忙しくしている年齢で、結婚ではなく「離婚パーティ」に数十人集まれる友情。

高校時代の友人ならまだしも、大学時代の友人でこの濃さはすごい。

彼らの関係を疎ましく感じ、焼きもちを焼くダンサーの彼女の気持ちの方が、私は理解しやすかったです。


久しぶりに顔を合わせ、お互いの今に触れ、互いに自分の中の小さなシミに気が付いてしまう。

あの時、正面から逃げずにぶつかっていたことは、傷になっていても、もやもやとはしていない。

だが、眺めていただけで、前に踏み出せなかったことは、いつまでも自分の奥底でシミとなって残っていた。

今さら、これを消す方法はあるのだろうか。


消せないから、今が不満なのか。

消せないから、上塗りすることに夢中になってしまっていたのか。

34歳になって、ようやくあの時の自分と向き合い、転びながら一歩づつ踏み出していく。


結局通っていない道にある後悔は、通ってみるしかないのだろうと思う。

通って傷つくことも、笑われるだろうことも、全部知った上で。

人生一度きりなのだから、若い時に優男に振り回されておけば良かったかな。

パンチは効いていないが、じわじわと角田光代らしさを感じる作品です。



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12:16 角田 光代 | コメント(0) | トラックバック(0)

オリンピックの身代金 / 奥田 英朗

2013/10/15
オリンピックの身代金オリンピックの身代金
(2008/11/28)
奥田 英朗

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昭和39年夏、オリンピック開催に沸きかえる東京で警察を狙った爆発事件が発生した。

しかし、そのことが国民に伝わることはなかった。

これは一人の若者が国に挑んだ反逆の狼煙だった。

著者渾身のサスペンス大作!

第43回(2009年) 吉川英治文学賞受賞



先日、東京オリンピックの招致活動に成功し、日本は突然お祭り騒ぎとなりました。

前回大敗したにもかかわらず再チャレンジすると石原さんが言ったとき、マスコミはこぞって批判したのに。

手のひらを返したような報道と、本題から目を逸らし歓喜する日本の雰囲気に、少なからず違和感を感じてしまった。


この物語の舞台は昭和39年のオリンピック。

2008年に出版された作品なので、今回のオリンピック招致活動より以前のもの。

ですが、書かれていることは、今の日本にある問題と同じラインにあるように思う。

ストーリーとして楽しくありながら、考えさせられる印象的な作品でした。



秋田出身、東大在学中の島田は、田舎の期待を一身に背負った秀才。

ある日、東京に出稼ぎに出ていた兄が、オリンピック工事に追われる飯場で命を落としたと知らされる。

曖昧な死因。

兄の気持ちを知ろうと同じ飯場で働き、劣悪な環境をさらされる内に、繁栄の陰に隠された日本の現実を目の当たりにする。

東京の発展を支えているのは、何一つ保証のない出稼ぎ労働者たち。

貧困も差別も見えぬように覆い隠し、表面だけ美しく整えられたオリンピック。

この現実を変えるため、島田はたった一人、オリンピックの開会を阻止しようと動き始める。


島田が恩師にあてた手紙にハッとさせられました。


先生は東京オリンピックをどうお考えでしょうか。

わたしは、国際社会への進出ではなく、西欧的普遍思想への無邪気な迎合であると思えてなりません。

急造の建築物に、西欧都市を装いたくてしょうがない東京の歪みが表れています。

そしてその巨大で美麗なコンクリートの塊に、現実の日本は覆い隠され、無視されようとしています。

人民にかりそめの夢を与え、現実を忘れさせようとするのが、支配層の常套手段であるならば、

今のところは成功の道を歩んでいると言えるのでしょうが。



オリンピックが開催されることはとても喜ばしいこと。

私もとても楽しみにしている。

けれど、決して日本は、両手を離して大喜びできる状態ではないとも思う。

そこがどうも引っかかっていたのだけど、奥田さんの言葉で気持ちが少し整理されました。



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16:23 奥田 英朗 | コメント(6) | トラックバック(0)
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