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友罪 / 薬丸 岳

2014/08/21
友罪友罪
(2013/05/02)
薬丸 岳

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-過去に重大犯罪を犯した人間が、会社の同僚だとわかったら?-

ミステリ界の若手旗手である薬丸岳が、児童連続殺傷事件に着想を得て、凶悪少年犯罪の「その後」を描いた傑作長編!

ジャーナリストを志して夢破れ、製作所に住み込みで働くことになった益田純一。

同僚の鈴木秀人は無口で陰気、どことなく影があって職場で好かれていない。

しかし、益田は鈴木と同期入社のよしみもあって、少しずつ打ち解け合っていく。

事務員の藤沢美代子は、職場で起きたある事件についてかばってもらったことをきっかけに、鈴木に好意を抱いている様子。

益田はある日、元恋人のアナウンサー・清美から「13年前におきた黒蛇神事件について、話を聞かせてほしい」と連絡を受ける。

13年前の残虐な少年犯罪について調べを進めるうち、その事件の犯人である「青柳」が、実は同僚の鈴木なのではないか?と疑念を抱きはじめる。 内容紹介より



薬丸さんの代表作である「天使のナイフ」同様、少年犯罪と更生がテーマです。

被害者、その家族の苦しみが永遠でありながら、加害者がその後何十年も生き、成長していくその落差。

罪を反省し更生することが理想であり、人の可変性を信じたいと思う。

しかし、凶悪犯の犯人が数年後に幸せに暮らしていると知るなら、少し受け入れ難く思ってしまう矛盾。

少年犯罪そのもの、その後の更生を、ある一面から語ることなど出来るはずもない。

加害者、被害者家族だけでなく、周りを取り囲むあらゆる人々の立場を見せ、少年の社会復帰について問いかける作品です。


許されるはずのない幼児への残虐な殺人。

家族愛に恵まれなかった犯人の少年は、出所後名前を変えて生きていくが、罪の重さに苦しみうなされ続ける。

矯正局の職員は、自分を消耗させながらなんとか少年を更生させようと奮闘するが、社会がそれを阻む。

もし職場の同僚が、数年前に起こった凶悪犯の犯人だと知ってしまったら、自分はどういう振る舞いをするだろうか。

あの時犯罪者であっても、今はうち解け始めた優しい同僚。

被害者の傷は癒えるはずもない深さで、向き合えば向き合うほど、どうすべきか分からなくなる。


大切に思うものがなければ、自分の犯した罪の重さを本当の意味で理解できることはない。

という作中の言葉が好きです。

本当にそうだと思う。

大切なものが一つもなければ、失う怖さや、壊してしまう罪の重さを知りうることがないと思うから。


罪を犯した少年の立場ではなく、周りの取り巻く人々の顔が渦巻いていて、とても良く練られた設定だと思う。

けれど、始めに設定があって、望む展開に持っていくために登場人物が動いているように見えてしまいます。

薬丸さんの作品でいつも感じるのですが、登場人物の安易な行動が目について仕方がない。

犯人だけでなく支える側の人達であっても、人としての魅力が感じられず、深い部分で同調できないのが残念です。



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23:01 薬丸 岳 | コメント(4) | トラックバック(0)
コメント
No title
「天使のナイフ」の作者さんですね。
あのお話も、とってもよく練ってあって社会派ドラマとしても楽しめたけど、最後にミステリー展開に持って行こうとした部分がちょっと不自然で、もったいなかったなと思いました。
この物語の設定も興味深いですね。
いろんな人たちの気持ちの葛藤がありそうで。
これはやはりミステリー的な何かがあるのでしょうか。
もしかしたらミステリー寄りでなく、本当に心を描く作風にした方がいいのかな・・・、なんて、読んでいないながらも感じてしまいました。
No title
私の好きな吉村昭に「仮釈放」という作品があるのですが、これも犯罪を犯したものが過去から逃れようと周囲と向き合って行くという内容です。吉村作品らしく、読者の期待とかは一切考慮せず、普通に進んでいくのですが、それはそれで虚無感が残りました。
フィクションって本当に書く側も、期待して読む側もむつかしいですね。事実なら説得力があるんですけどね。
limeさまへ
そうです^^
「天使のナイフ」の作者さんです。
あの作品はとてもよく練られていて、本当に感心していたのですが、私も人物描写が引っ掛かってしまいました。

こういうストーリーは、当然ながら完璧な答えなどないでしょうが、いくつかの考えを示してくれたり、問題提議してくれることに、とても意味があると思っています。
それと同時に、せっかくここまで完成されているのだから、せめて感情移入させてくれる登場人物がいてほしいという思いも残ります。

ストーリーとしては盛り上がり、この作品も面白いのですが、内容の重さと、作品としての面白さとの両立の難しさを考えさせられます。

それにしても答えの見つからない難しい問題。
真っ直ぐチャレンジされているのが素晴らしく、書くのに勇気がいることでしょうね。
キミ兄さまへ
こんにちは。
吉村さんの作品は未読なのですが、キミ兄さまへのコメントにとても興味を持ちました。

エンタメに寄った作品では本当の辛さは伝わらないでしょうし、事実に近ければ近いほど、虚無感が残るのかもしれませんね。
うーん、難しい…

読むのに勇気が要りますが、また挑戦してみたいと思います。

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