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黒革の手帖 / 松本 清張

2014/10/27
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7500万円の横領金を資本に、銀座のママに転身したベテラン女子行員、原口元子。

ホステス波子のパトロン、産婦人科院長楢林に目をつけた元子は、元愛人の婦長を抱きこみ、5000万円を出させるのに成功する。

次に彼女は、医大専門予備校の理事長橋田を利用するため、その誘いに応じるが…。

夜の紳士たちを獲物に、彼女の欲望はさらにひろがってゆく。 内容(「BOOK」データベースより)



米倉涼子さんのドラマを観ていなかったのですが、宣伝から受けるイメージとしては、銀座の華のある話だと思っていた。

だが、内容は全然違った。

一人の地味な銀行員が、銀座の世界でのし上がっていくサスペンスストーリー。

松本清張さんが推理小説ではない作品を書いておられることに驚き、とても面白く読んでいました。


主人公は女性として幸せな思いをしてこなかったベテラン銀行員:元子。

銀行でコツコツ真面目に務めていても、男性のように出世できる可能性はなく、窓口はどんどん若い子に代わっていく。

次第に鬱屈とした気持ちが溜まり、銀行の裏事情を書き留めた手帳で、上司を強請ることを思いつく。


たとえ環境が悪く、上司が良い人間でなかったとしても、強請がいいはずはない。

だが読んでいると、つい薄幸の元子を応援してしまう。

やっていることは犯罪なのに、支える味方が誰もいない状態で貪欲に突き進む姿に、惹きつけられるものがあるからです。


数字が好きな私にとっては、銀座を経営する際に掛かる諸経費を読む元子が好きだった。

元銀行員のメリットを最大限に利用し、一流クラブを買い取る算段をし、冷静に数字を読ませるリアリティ。

美貌も人望も、もちろんお金もない元子が、唯一の武器で戦い、孤軍奮闘している。

一人の女性の背中を、黙って目で追っているような不思議な感覚。

終わり方も含め、女の淋しさが上手く表された面白い作品でした。



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18:21 松本 清張 | コメント(2) | トラックバック(0)
コメント
No title
ああ、そう言うお話だったのですね。
大掛かりな犯罪が絡む大人なミステリーなのかと。
(メジャーどころの小説を、全然知らなくて・・・)

犯罪は犯罪なのだけど、そこをまるで一つの(闇)サクセスストーリーのように読ませてしまう力が、すごいですね。
想えば現実世界では倫理観が働いて味わう事の出来ないタイプの快感。
小説だからこそ、できるのですよね。
読者が皆、主人公に味方する気持ちが湧くというのは、この現実世界の鬱屈や不条理を示しているのかもしれません。
ごろちゃんさんが気持ちを惹きつけられた『数字』。
ごろちゃんさんらしいなあ~と、にんまり。
limeさまへ
同じですよー
私も読むまではlimeさんのようなイメージを抱いていました。

この物語で妙に共感してしまったのは、夜の世界でのし上っていくのに、主人公の女性が妖艶な美女ではないところです。
行員として地味であっても、メガネを外せばすごい美人です、又は脱いだらすごいのです、みたいなものがよくあると思うのですが、この場合は全くない(笑)
地味な主人公が唯一戦える武器が数字だなんて、何ともせつない物語です。
(確かに私らしいですよね^^ ありがとうございます)

サクセスストーリになると思うのにそうもならない。
地味で淋しくて心に残る、物静かな作品でした。

私も王道で読んでない作品が山とあるのですが、読んでも読んでも追いつきません!
昔から良く目にするけど読んだことはない作品群。
せめて半分ぐらいは読みたいのですが…

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