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夜の国のクーパー / 伊坂 幸太郎

2015/01/29
夜の国のクーパー夜の国のクーパー
(2012/05/30)
伊坂 幸太郎

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この国は戦争に負けたのだそうだ。

占領軍の先発隊がやってきて、町の人間はそわそわ、おどおどしている。

はるか昔にも鉄国に負けたらしいけれど、戦争に負けるのがどういうことなのか、町の人間は経験がないからわからない。

人間より寿命が短いのだから、猫の僕だって当然わからない――。

これは猫と戦争と、そして何より、世界の理のおはなし。

どこか不思議になつかしいような/誰も一度も読んだことのない、破格の小説をお届けします。

ジャンル分け不要不可、渾身の傑作。

伊坂幸太郎が放つ、10作目の書き下ろし長編。 内容紹介より



この小説の前評判がよろしくなかったので後回しにしてきましたが、ふと目の前にあったので読んでみました。

あらま、思った以上にファンタジー。


主人公はいつも通りの雰囲気。

草食系で頼りなくて争いを好まない、たぶん伊坂さんそのものであろう「僕」。

そんな優しい主人公がファンタジックな小説に存在してしまっては、もうそれだけで掴みどころがない世界が完成してしまう。

前半はちょっと靄がかかりすぎていて読みづらくもありました。


伊坂さんの作品は、根本的な設定をくるんとひっくり返してしまうような緻密なトリックが特徴的だと思います。

最初の、本当に最初の基礎の部分で、読み手を完璧にだましてしまう。

この作品も同じように、最後にくるりとひっくり返す。

その楽しさがいいなぁとにんまり。


ただ、この作品に関しては、いつものようなかちりと完璧な収め方ではなく、その結末までふんわりぼかしている。

「言っていることがすべて正しいとは限らない」「可能性はある」「ではないだろうか」…など。

ラストで曖昧な表現を、意図的に使っているようにも見えました。


戦争を見せながら、人の心の話につながったり。

猫とネズミの世界を見せながら、人間の侵略につながったり。

断定しきらないラストを読みながら、当たり前の日常を、自分のことと置き換えて考えさせられました。

いつもの気持ちよく笑わせてくれたり、いい感じで騙してくれたりする作品の方が好きですが、この作品もまた奥深いものがありました。



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16:20 伊坂 幸太郎 | コメント(2) | トラックバック(0)
コメント
No title
この本もまだ読んだことが無いのですが、伊坂さんの作品って、幅が広いなと、改めて思います。
でもやはりどこかファンタジーの人なのかもしれませんね。
始めて読んだ「オーデュボンの祈り」 の不思議さと言ったらなかったですもん。
伏線やアクションを売りにしたトリッキーなお話も人気だけど、やっぱりどこか現世を離れた感じがするところが、好きです。

どちらかというと、やさしいあたたかいお話を読まないもので、この本を手に取ることは無かったのですが、この伊坂ワールドもごろちゃんさんのレビューでちらりとのぞくことが出来ました^^
limeさまへ
ホントホント。
幅広い作家さんですよね。

優しいのと暴力的なの。
両極端に振れた作品に出会うとうきうきします^^

ただ主人公がいつも伊坂さんそのもののようで笑ってしまいます。
気が弱く優しい、NOが言えなくて、しっかり者の奥さんについ頼ってしまうところ。
ご本人が別人になっているわけではないのに、印象の違う作品を書き分けられるのがすごいです。

私の場合、読むのが追いつかない作品はigaigaさんに頼っています(笑)
(ブログを読ませてもらって、自分も読んだ気分になって満足してしまう)
私も伊坂さんの伝えたいこと、limeさんにちゃんと伝えられたかな…
ちょっと不安^^;

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